帝丹高校へと転校するべく来た、
犯罪都市と謳われている 米花町。
「 犯罪都市 」
と言う割には意外と落ち着いた風景に、
ほっ、と胸を撫で下ろした。
比較的小さいキャリーケースを
ゴロゴロと引き摺り、
少し大きめのマンションに足を進めた。
其れから暫くして、
荷解きは後にしよう、と放置していた
山ずみに成ったダンボールに手を掛けようと、
体を起こす。
と、しようとした時、
「 ピンポーン 」
インターホンがなった。
誰も聞いてなんかいない
不満を口にしながら、
ガチャ、と扉を開ける。
声こそ快斗だが、
見た目はガッツリ女の子に変装している。
快斗曰く、
「 こんなとこで名探偵に会ったら大惨事だぜ 」
との事。
なら来んな。
「 ま、自分の事ジャックって
言ってる位だもんな。」
と付け足し、ズカズカと家に入る。
紳士とは思えないこの行動。
どうにかならんのか。
そう言っても中々機嫌が戻らない快斗に、
一つ、溜息を零した。
ビリビリとダンボールを開けながら
そう問い掛けると、
「 あったり〜! 」
とご機嫌な声を出し、
一枚の新聞を突き出された。
新聞には、どデカく書かれた
「 怪盗キッドに告ぐ!! 」
と言う文字。
快斗がくしゃっと音を鳴らし、
新聞を下げる。
そして顔をぐんっと
近付けてくると思えば、
と、ニヤリと口角を上げた。
ゴソゴソとポケットを漁り、
ほらよ、とケータイを手渡す。
「 貴方の提案
快く承ります ...
決行は 10月 12日 20時、
その前夜に下見する無礼を
お許し下さい ...
怪盗キッド 」
そう溜息交じりに呟いて、
ダンボールから帝丹高校の制服を出した。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。