このとき寮にはいっちゃた
ソファーでくつろいでいた爆豪が、見たことないほどの不審者を見る目で立ち上がる
キッチンにいた緑谷は、手に持っていたカップを落としそうになりながら固まって、轟は静かにそばをすする手を止めて五条あなたの下の名前の方を凝視
轟の低い声にみんな戦闘態度になる。
轟の声は低く、そして冷たい。
部屋の温度が数度下がったかのように錯覚するほどの威圧感。轟は蕎麦をすする手を止め、その灰色の瞳で悟を、そして隣で凍りついているあなたの下の名前を静かに射抜いていた。
いっきに轟の周りの温度が下がる
地雷を正確に(確信犯的に)踏み抜く悟。それと同時に、横からノートを抱えた緑谷が、獲物を見つけたハンターのような目で詰め寄ってきた。
凍りつくような冷気を纏ったまま、轟がさらに一歩、距離を詰めた。
轟の右側から、うっすらと霜が降り始める
あなたの下の名前が必死に悟の脇腹を小突くが、彼はどこ吹く風で、今度は緑谷の持っているノートをひょいと指さした。
その場の空気が、さらに一段階、重く沈んだ。
緑谷の言葉が震える。背後にいる轟からも、刺すようなプレッシャーが放たれている。
低く、地這うような声がラウンジに響いた。
その瞬間、轟の右側から溢れ出していた冷気が、霧散するように消え去った。全員が入り口を振り返れば、そこには捕縛布を肩にかけ、瞳を真っ赤に充血させた相澤先生が立っていた。その凄まじい威圧感に、戦闘態勢だったA組の生徒たちが一瞬固まる。
食い下がろうとする緑谷を片手で制し、相澤は真っ直ぐに、あなたの下の名前の肩を抱いたままヘラヘラと笑う男――五条悟へと歩み寄った。
消太くん、という聞き慣れない呼び名にA組に激震が走る。
相澤はこめかみをピクつかせ、容赦なく悟の腕を凛の肩から引き剥がした。
あなたの下の名前が半泣きで頭を下げると、相澤はため息混じりに視線をクラスメイトたちへと向けた。
相澤先生の言葉は、嘘はついていないが、決定的な「呪術」という言葉を巧みに避けていた。「スパイではない」という担任の保証。それだけで、場に流れていた刺すような殺気が、困惑の色へと塗り替えられていく。
悟は軽く手を振ると、最後に緑谷のノートを指さし、誰も聞き取れないほどの小声で呟いた。
その言葉だけを残し、男はまるで最初からそこにいなかったかのように、風に溶けて消えた
1年A組「き、消えた…」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!