5.僕だけじゃないんですね
放課後
あなたは自然にその子の隣にしゃがみこむ
その様子を、少し離れた場所からスンミンが見ていた
同じクラスの友達に話しかけられた
目線の先
あなたは優しく笑っている
いつも自分に向けられているのと、同じ顔
1年生が嬉しそうに去っていく
そのタイミングで。
いつもの距離
いつもの声
なのに少しだけ湿度違う
あなたは安心したように笑う
静かな声だった
あなたは本気で分からそうな顔をしていた
スンミンは一歩距離をとる
その言葉に、あなたは真面目な顔をなる
あなたは少し考えてから、ぽんっとスンミンの頭を軽く叩いた
無意識に爆弾を落とす
スンミンの表情が一瞬固まる
あなたはほんとにそれが本心だった
でも……
少しだけ目が真剣になる
廊下の空気が、少し重くなる
あなたは言葉に詰まりながらも
あなたの中で何かが引っかかる
その言葉は、今までより少し重かった
スンミンは息を吐くと、いつもの笑顔に戻る
くるりと背を向ける
その背中が、いつもより遠い
ぽつりと、あなたは呟く
胸の奥が、少しだけざわつく
────''大事な後輩''じゃ、だめなのか
まだ答えが出ないまま
初めて、2人の間に小さな温度差が生まれた
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!