雨に打たれながら見上げた
その顔は
世の中の全てに絶望したかの様な
とても切なくて、どことなく怯えている…
そんな彼の表情から、目が逸らせなくなる
…はっと我に返り、
「こんなとこにいたら、風邪引きますよ…?」
と、なんとか声をもう一度かける
よく見れば
私よりも幾分も幼く見える
学生…なのかな…?
シルバーの髪色に、パーカーにジーンズと
ラフな格好の彼は、見た目は
チャラいお兄さん…って感じ…
『………ぃ』
また俯きながら、
やっと話したかと思ったけど
声がか細く、雨音にかき消される
「…え?ごめんもう1回、」
と今度は聞き取れるように
少し彼に近づけて、もう一度聞いてみる
『…行くところがない』
今度はしっかり聞き取れたけど
行くところがないって…
家出か何か…?
どうしたものか…
見ず知らずの彼を、自分にはどうする
ことも出来ないと思いつつ
雨で凍える彼が…
そのまま消えてしまいそうな
彼の表情が気になって仕方ない
そう考えてる自分もいる
「…家、近いのでとりあえず来ますか?」
その言葉を発してから、
何言ってんだ自分…
と少し後悔する
けど、このまま放っておくわけにも
いかないし…
雨が止んだら帰ってもらえばいい
そんな甘い考えでとりあえず
この状況をどうにかしよう
そう自分に言い聞かせて
彼の返事を待つ
『…いいんすか?』
伺う様に私の顔を再度見上げてくる
「このままじゃ、風邪引きますし
一先ずです。」
少し悩んでいるのか、なかなか
立ち上がろうとしない彼
それもそうか、彼からしても
見ず知らずの、ただの通りすがりの
女にしか見えないだろう
「あの、名前は?」
警戒心を解くために、とりあえず
名前を聞いてみる
『…樹』
「樹くん、私はあなた」
「どうします?…来ますか?嫌ならそれでも」
無理強いをするわけにも行かないし
選択は彼に任せるしかない
『嫌じゃッ!…ないっす…』
急に立ち上がりながら声を出したので
びっくりして、少し後ずさってしまう
そして、すがる様な眼差しから
また目が離せなくなる
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚
第3話です!
1話が長い割に進展具合が
悪くないか…?
と心配の作者です( ˘•ω•˘ )
もしコメントとかで感想おしえて
頂けると嬉しいです…(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
♥、★も頂ければ踊り狂います!!←
*+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。