第15話

Episode-14
1,408
2022/10/07 01:20
あなた
だが…その1回では終わらなかった。あいつは
俺を自分達の家に住まわせて、暇さえあれば
俺を抱いた。まだ別にいた同じグループの
ゴロツキ達も同じだった。

何度も逃げ出そうとした。


でも手首にキツく手錠を掛けられていたせいで
逃げられなかった。


だが、抵抗したのも最初だけだった。

あなた
1ヶ月もすると何も感じなくなった。

ゴロツキ達はそっちの方が好都合だと、
以前より激しく俺を抱いた。


だが、正直その時の記憶はあまりない。

あなた
ゴロツキの家に監禁されて、半年が経った。
その日に、調査兵団が来た。

前から憲兵は来ていた。


ゴロツキ達のあまりに残酷な行為に
目を瞑りきれなかったらしい。


だが、憲兵達はいとも簡単にやられた。


憲兵達の手に負えないために、その日は調査兵団が来た。

リヴァイ
リヴァイ
待て。俺はその時……
エルヴィン
エルヴィン
リヴァイもいた。私とハンジと
ミケとリヴァイで向かったからな。
リヴァイ
リヴァイ
まさか……『都の大量殺人鬼』に
なぞらえて『地下街の無差別殺人鬼』と
呼ばれていた奴らか?
あなた
そうだ。だが、あいつらはお前やミケに
やられて全滅した。あのトップの男を
やったのはお前だと聞いていたが。

リヴァイは全て思い出したかのように目を見開いた。

あなた
俺は地下室にいたから、あいつらが
殺された時点では発見されなかった。
たが後日、家宅捜索に来たハンジと
エルヴィンによって発見された。

俺は瀕死に近い状態で見つかったらしい。


精神的にも身体的にもボロボロの状態で。

あなた
その時、俺はハンジとエルヴィンに
ここに連れてこられた。そこで、
身体的なケアや心のケアが施された。
リヴァイ
リヴァイ
そんな子供がいたとは初耳だぞ。
なぜ、ハンジやエルヴィンしか知らなかった。
ハンジ
ハンジ
あなたのケアが終わるまで、私とエルヴィン
だけの秘密にするという所で落ち着いたんだ。
2人であなたのケアを担当していたからね。
あなた
だが、そこから17年経つのに、お前が
知らなかったのは俺のせいだ。完全に
治療が終わった後、俺は男を演じ始めた。

もうあんな事にならないようにと、
俺は女である事を隠し始めた。


髪の毛は切って、一人称も『俺』になった。

あなた
調査兵団本部に来て、しばらくすると
エルヴィンが『体を動かしていこう』と
言うようになった。だが、俺が桁違いに
強かったらしく、すぐに訓練兵団の入団を
勧められた。
エルヴィン
エルヴィン
あれは本当に11歳だとは思えなかった。
元々、持っていた素質が違うからか、
立体機動もすぐにできるようになった。
ハンジ
ハンジ
座学もよくできたしね〜、びっくりだったよ。
あなた
それでエルヴィンの推薦で訓練兵になった。
だが普通と違って2年で卒団した。その後、
調査兵団に入って、今に至っている。

俺は不安になってリヴァイの顔をじっと見た。

あなた
これが………俺の全てだ。これでも、
まだ俺を……好きでいてくれるのか?

ハンジとエルヴィンは静かに医務室から出ていった。


2人だけの空間。


とても重苦しかった。


俯いていたリヴァイは顔を上げた。

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