『ピンポーーン』
『ピンポンピンポンピンポーン』
頭の中が真っ白で、何も考えられなかった。
何度も鳴らされるチャイムの音が頭に響いた。
「パワー、あなた、ニャーコ連れてベランダから逃げろ。」
デンジくんが何か喋ったが、頭に入ってこなかった。
パワーちゃんが私の手を引くのを振り払って、私は玄関に向かった。
…アキくんがいる、
扉の向こうにアキくんがいるの。
「あなた、駄目だ危ねぇ。」
私の身体を抑えるデンジくんをも突き飛ばした。
ああなんで、どうして気がつかなかったんだろう、
アキくん、
__________アキくん、もう殺されちゃった。
ゆっくりドアノブに手をかけ、扉を開いた。
うん、やっぱりアキくんだ。
失ったはずの左腕として銃が生え、デンジくんのチェンソーみたいに頭にも銃が刺さっている。
でも、でも、そこにいたのはアキくんだった。
一歩、もう一歩、私は彼に歩み寄ってその温かい身体を抱きしめた。
「最期まで一緒ね。アキくん_______」
Denji
マキマさんから電話があった。
銃の悪魔が急に現れて、戦ったけど倒し損ねたんだと、
そこでそいつは死体に乗り移って俺ん家まで来たんだと、
…じゃあなんであなたはアキの名前呼んでフラフラしてんだよ
あなたは俺たちが止めるのを無視して扉を開けた。
「‥マジか」
あなたが死んだ。
っていうか、銃の魔人に締め殺された。
「___あなた。」
銃野郎は腕の中で血を吐いて死んでるあなたを見下ろして、呟いた。
「…なんであなたの名前知ってんだよ」
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その後アキは人間を大勢殺した。
だから、だから俺はアキを殺した。
「大バカクソ野郎。」
「あなたは、あなただけは長生きさせるんじゃなかったのかよ」
俺のチェンソーはアキの胸に刺さっていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。