第16話

第16話
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2025/11/15 12:14 更新
『ピンポーーン』
『ピンポンピンポンピンポーン』


頭の中が真っ白で、何も考えられなかった。


何度も鳴らされるチャイムの音が頭に響いた。



「パワー、あなた、ニャーコ連れてベランダから逃げろ。」


デンジくんが何か喋ったが、頭に入ってこなかった。


パワーちゃんが私の手を引くのを振り払って、私は玄関に向かった。


…アキくんがいる、


扉の向こうにアキくんがいるの。


「あなた、駄目だ危ねぇ。」


私の身体を抑えるデンジくんをも突き飛ばした。


ああなんで、どうして気がつかなかったんだろう、


アキくん、


__________アキくん、もう殺されちゃった。



ゆっくりドアノブに手をかけ、扉を開いた。


うん、やっぱりアキくんだ。


失ったはずの左腕として銃が生え、デンジくんのチェンソーみたいに頭にも銃が刺さっている。
でも、でも、そこにいたのはアキくんだった。


一歩、もう一歩、私は彼に歩み寄ってその温かい身体を抱きしめた。



「最期まで一緒ね。アキくん_______」




Denji



マキマさんから電話があった。


銃の悪魔が急に現れて、戦ったけど倒し損ねたんだと、


そこでそいつは死体に乗り移って俺ん家まで来たんだと、


…じゃあなんであなたはアキの名前呼んでフラフラしてんだよ


あなたは俺たちが止めるのを無視して扉を開けた。


「‥マジか」



あなたが死んだ。

っていうか、銃の魔人に締め殺された。



「___あなた。」



銃野郎は腕の中で血を吐いて死んでるあなたを見下ろして、呟いた。


「…なんであなたの名前知ってんだよ」










その後アキは人間を大勢殺した。


だから、だから俺はアキを殺した。


「大バカクソ野郎。」
「あなたは、あなただけは長生きさせるんじゃなかったのかよ」


俺のチェンソーはアキの胸に刺さっていた。


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