唇が、先生の首筋に触れた瞬間――。
甘い血の香りがふわりと
鼻をくすぐり、喉がかすかに鳴る。
理性が「だめ」と叫んでいるのに、
心は正反対の衝動を抑えられない。
カプッ――。
牙が、先生の柔らかい肌に沈み込む。
瞬間、温かい血が口の中に広がった。
熱くて、甘くて、
体の奥まで染み渡るような味。
もっと吸いたいという欲求が芽生えてくる。
ふっと、先生の手が私の髪を撫でる。
その優しい仕草に、
私はようやく牙を引き抜いた。
先生は、私の顎を指先で持ち上げた。
ふっと近づいた先生の顔。
唇が触れそうな距離まで寄せられ、
心臓が跳ねる。
心臓は鼓動を速め、体温はいつもより少し高い。
私はもうこの人に溺れてしまっている
魅力的な貴方に壊される毎日_。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!