また何も変わり映えしない今日が始まった。
誰もいないリビングでコーヒーを飲みながら朝のニュースを観る
ニュースに映る情報はいつもマイナスな事ばかりだ。
またあの事件のこと言ってる。
本当にみんなこういうマイナスな情報が好きなんだから
️️️
そんなことを考えていたらマグカップの中のコーヒーは無くなってしまった。
テレビを消して自室に戻り、ゲームの準備をする。
「レイン、学校は?」
「1日でもいいから行ってきなさい。」
️️️
……本当に呆れる。
人の気持ちも知らないで軽々しく発言するお前らが
ゲームを起動し、一緒に戦うフレンドとチャットをする
そして対戦が始まり、私はいつものように敵を倒していく。
またこの対戦でも私は1位になった。
そんなことを呟きながら次に進んでいく。
すると何か気になる対戦相手がいた。
とても強い。
ギルというプレイヤーに苦戦していると別のプレイヤーから攻撃を受け、負けてしまった。
そうだ、
ゲームのプレイヤー検索で「Gill」で検索する
フレンド申請のボタンを押す
すぐにフレンド追加の通知が来た。
するとあっちの方から話しかけてきて、
「おはよっ(^o^) 君凄く強かったね〜!俺びっくりした!(^-^)」
「あ(・ω・)、あとさ、カガっていう人ともフレンドなってって〜俺のお兄ちゃんなんだ〜(•ө•)♡」
ガンガン話しかけてくんなこの人。
「ありがと〜(^ワ^=)」
またプレイヤー検索で「Kaga」と検索し、フレンド申請を送る。
少ししたらフレンド追加の通知が来た。
どうやらカガというプレイヤーもさっきのギルと一緒のランクらしい。
時刻は12時。
Gillから言われたことも全部やったし、
ベランダに向かい、締め切っていた窓を開けると、昼の爽やかな空気が部屋の中に入っていく。
換気はしていなかったのでとてもいい心地だ
ベランダに出て、街を見下ろす。
色々な人が見える。仲良く話している人達や、急いでいる様子の人、歩きながらスマホを見ている人…、
こうやって街を見下ろして観察をしていると、なんだか自分が空気のように思えてしまう。
身を乗り出し、柵に座ってみる。
そうは思っていてもこの体勢が1番心地良いから降りられない。
顔を上げ、何処までも続く青の遠い空の向こうを見つめると、吸い込まれてしまいそうな感覚に陥る。
そのまま少しの時間ぼうっとしていた
️️️
「レ……ん、」
オリヴィアだ。
来ていたことに気が付かなかった。それくらい私は呆けていたのだろう。
私の唯一心を許せる人が来てくれた。
意気揚々と話す彼女の笑顔は優しく、煌びやかに見えて、とても愛おしい。
ベランダの柵から降り、彼女を腕の中に入れる。
華奢な彼女の体は私の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
私の大好物達が入った紙袋を渡され、私の心は一気に明るくなった。
今日はオリヴィアといれる。
何も代わり映えしない毎日の今日の日は私たちだけのアフタヌーンティーが始まった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。