今から僕の同級生、水瀬咲空の話をしよう。
隣の2年B組、出席番号は34番。
聞いた噂によると
「口が悪くて、木に触れるとすぐに怒る」
「近寄りがたいっていうか……」
「目があっただけで睨まれたって子もいるんだよ」
「綺麗だけど、話しかけられないよね」
そんな、少し怖い人。
校内で見かけたときに僕が抱いた印象も「ガラスみたいな人」だった。
人目を惹く綺麗な黒髪、誰もが見惚れる端麗な容姿、意志の強さを感じる瞳、顔に浮かべるもの鬱げな表情。
そんなガラス細工みたいに綺麗な見た目に反して、ガラスの破片のように切れ味のいい性格。
ガラスを擬人化したら、彼女のようになるんじゃないだろうか。
そんなことを思った。
いや、そんなことを思わせてしまうほど、彼女は綺麗で、優雅に毒を吐いた。
だからこそ、彼女と初めて会ったときにすごく驚いたのを覚えている。
いや、初めて話した時、と言ったほうがいいだろうか。
彼女は僕に笑いかけて、「ノアくん?よろしくね」
そう言ったのだから。
いつから彼女に惹かれていたのだろう。
気づいたときには、彼女の虜だった。
彼女は優しかった、僕の告白に対しても
だけど、たった一週間。
それだけでも、彼女の隣にいられるのなら――。
僕は、その賭けに乗ることにした。
いや、もしかしたら、知らないうちに彼女に乗せられていたのかもしれない
まぁ、別にそんなことはどうでもいいか。
明日から頑張ろ













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!