それから、【アナタの♡あるじ様】は相変わらずマリア一人のグループである。新人が入ってくる様子も無い。SNSで騒がれる様子も無い。
最近の口癖だ。
そんなマリアだが、明確に一つ変わった点がある。
ミヤジが、ライブによく顔を出すようになったことだ。
ミヤジは相変わらずだった。
客席の一番後ろの方で見ているし、ペンライトは振らない。ただジッ……っとマリアを見ている。
チェキ券は毎回10枚買ってくれる。しかし量産されていくのはマリアの写真のみ。相変わらず一緒に映ろうとしない。
だがマリアはそれでいいと思っていた。彼の心の整理がつくまで、マリアは待てばいいと。マリアはただのアイドルなのだから。
だが、今日はちょっと違った。
そう言いながらパーテーションで区切られたチェキスペースに入ってきたツートーンヘアの男に、マリアは思わず苦笑した。
そしてパシャリと、チェキが撮られる。ルカスは背が高いのでだいぶ屈んでもらったが、一緒にハートをしている姿が撮れた。
そこでタイムリミット。交代で入ってきたミヤジには「ルカスが変なことを言ってないか」と大変心配され、マリアは「大丈夫だったよ」と彼を宥めるのに、チェキ撮影の時間を全て使うのであった。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。