他愛のない挨拶と笑い声が響く教室。
いつも通り、いつも通りの風景だった。
俺は誰にも挨拶しない、それもいつも通り。
もとから人に好まれる外見をしていないにもかかわらず、寝不足で目付きが悪く濃い隈がついてる俺に近づく人は誰もいない。
ばっ、と後ろを振り向く。
もちろん1番端のぼっち席の後ろなんて誰もいない。
最近よく聞く知らない声。
幻聴、なのだろうか。疲れてるのかな。
やることも無いし、本当は校則違反だけどスマホを起動して、ぽちぽちとSNSを眺める。
最近やってるゲーム、飽きてきたんだよな。
何かおもしろそうなやつないかな。
なぜか目についた1件の投稿。
"このゲームめっちゃ面白そうなんだけど!"とだけ書かれたそれは、ゲームのリンクが一緒に載っていた。
どうやら一定のリズムを刻むよくあるリズムゲーらしい。
操作方法はボタンを押すだけだし、簡単。
好きだよリズムゲー。
それが頭から離れなくて、授業中もずっとそのゲームのことを考えていた。
家に帰って、パソコンを起動する。
アプリを入れて、アイコンをクリック。
待機画面のBGMがすでに気持ちいい。
全体的に黒を基調としていて、そこにネオンライトのような光で正多角形が書かれている。
きっとその頂点でボタンを押すのだろう。
俺は特に何の違和感も感じずに、そのままスタートボタンをクリックした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!