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第2話

 不思議な猫
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2024/05/12 09:11
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……
ここは、霊安室。
目の前には白い布で顔が覆い隠されている弟の姿。
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あきと……
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……
呼びかけても答えてはくれない。
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あ…、絵名さん
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こはねちゃん、
こはねちゃんは、彰人と付き合ってたみたい
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え、あー、あの
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大丈夫よ。寧ろ、バカな弟がッ、いなくなって……(。•́ωก̀。)…グス
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絵名さんッ、(抱きしめる)
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うわぁぁぁぁぁぁぁん!!
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ごめん……
私の目の前には私の涙でぐっしょりになった服のこはねちゃんが…
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🐹
いえ、大丈夫ですって!
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こはねちゃんも辛いでしょ
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?服は、大丈夫ですけど
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そっちじゃなくて彰人のこと…付き合ってたんでしょ?
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え?!な、なんで//
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ふふ、勘
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ごめんね……私があの時、彰人の代わりに飛び出してれば…
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でも、そうしてたら彰人くんは自分のことを殺すくらいに責めてたと思います
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え?
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彰人くん、姉弟のことが大好きですから
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うん…そっか……
帰り道
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じゃあ、私はこっちなので……
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うん。じゃあね
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絵名さんもお気を付けて
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ありがとう
ほんとに彰人、は……こんな可愛い彼女を置いて死んじゃってさ……
私がとっちゃうよ……?
こはねちゃんも本当は泣き叫びたいはずなのにな
にゃー
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ねこ…?
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なぁんだ、あんた野良猫?帰る家ないの?
突然でてきた猫は吹き出しの色からは予想もつかないくらい綺麗なオレンジ色の猫だった。
でも傷とかないから、多分どこかの猫なんだろうけど……どこの子だろ……
でも、色が彰人に似てる、な…
ふん。俺に帰る家がないように見えるのか?
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ハ?
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え、ちょっ、うそ猫が喋った?!
猫は喋る。んな事も知らねぇのかよ
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はァ?!意味わかんないんだけど!!
性格まで、彰人にそっくり…
おい、俺を誰かと重ねただろう。
え、?
誰と重ねた?
それは最も大切な人か?
もう届かないところに逝ってしまった人か
オレンジ色の猫はどんどん詰め寄ってくる。
本当は関わらずに帰るのが正解なのだろう。だけどその時の私は何故か自然と猫に全てを話していた
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……
ほう、貴様の名は"東雲絵名"で合ってるか?
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え、教えたっけ、
弟を救いたくないか?
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え?
弟を救う、?
あぁ、弟を生かすのだ
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え、っと、え?それは死者蘇生…みたいなこと?
それができるなら、私は!!絶対
違うな
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じゃあ、何?
弟を救う方法、それがあるなら、私はなんだって、
『タイムリープ』は知っているか?
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……バカにしてんの?
知っているようだな
知ってるに決まってんでしょ、
過去に戻って、お前の弟、東雲彰人を死の運命から救いたくはないか?
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過去に、もどって…救う…
そんなことがほんとにできるの?できるなら私はしたい、けど……ほんとにそんな事ができるの?騙そうととしてる、とか?
騙そうとはしてないさ。タイムリープは出来る。
さぁ、このまま。
『弟を失ったまま生きていくか』
『過去に戻り弟を助ける』
どちらを選ぶ?
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私は、
不思議な猫_終わり

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