バアン バアン
銃弾の音が鳴り響く
こんな音聞きあきた
何だか嫌な感じがする
戦ってはいけない感じが……
シュン
戦うしかないか
生きるためだもん
死にたくない
ブオン
聞いたことある……
誰だっけ……
シャキィン
首辺りに切り込みが入ってしまった
ブチッ
目の前に肉塊が1つ出来上がった
淡々と肉塊を作り上げていく彼女はまさに
“生物兵器“そのものだ
ブシャァ
血が飛び散る
あぁ、これが人間か
無様だな
ブチッ
何かが千切れる音がした
色んな思いが横切っていった
ここに来る前に死んだ孤児達のこと
私は何のためにここで育てられてきたのか
悲しみ、怒り、虚無感が沢山、混じっていた
ただ憎悪が強くなっていくだけだった
そんな思いを心に閉じ込め、
答えようとした時にはもう
総統は死んでいた
そんな言葉しか出てこなかった
きっとこれは私が殺ったんだ
気分がスッキリした気がする
だが、ただ一つスッキリしないことがある
次回に続く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!