第6話

5-最悪な再会
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2024/10/11 06:00 更新











監督生ユウ
そうそう!サイエンスクラブの
お土産の屋台が確かこっちに……

少し人が減ってきて、サイドストリートがよく見渡せるようになった。


改めてこの長い道とそこに連なる店の数に驚く。
サイエンスクラブの屋台には可愛らしい装飾が施されていた。

監督生ユウ
すみません!これをひとつください!

あなた
クッキーか。うん。
お母さんも喜ぶと思う。
監督生ユウ
お母さんか。へへ、仲良いんだね。
…いいな。
あなた
え?
監督生ユウ
あ、ごめんね。
実は色々あって両親に会えなくってさ。
あなた
そうなんだ……。

踏み込みすぎないことがマストだろう。
そんな会話の間にサイエンスクラブの人がラッピングを済ませていた。

どうぞ。
あなた
ありがとうございます。
これ、お代です。
丁度だね。ありがとよ!

いい匂いが立ち込める。
お菓子作りは前に趣味でやっていたので食欲が啜られる。

監督生ユウ
お昼の時間だね。
食堂が開いてるから
そこで食べるといいよ。
とても絶品なんだ!
あなた
?ユウは来ないの。
監督生ユウ
うん。午後からは私も展示の担当で。
あ、良かったら来てね。
あなた
ぜひ。

ユウはやった!と可愛げに飛び跳ねた。
ここでお別れなのは寂しいが、まだまだ回れていない所があるので全部回る頃には終わってしまうだろう。

あなた
じゃあこれで……。
デュース・スペード
おーい監督生!
監督生ユウ
あれ、デュース?
どうしたの?まさか、グリムが…。
デュース・スペード
そのまさかなんだが……。

深い青色の髪の毛を持つ男の子が現れた。
左目には大きなスペードのスートがある。
この子も確かVDCのステージに出てたはずだ。

監督生ユウ
そうだ!この子を紹介するよ。
あなたっていうの。
同い年で、午前は一緒に展示回ったの!
デュース・スペード
そうか…!僕はデュースだ。
よろしくな、あなた。
あなた
うん。よろしく、デュース。

女子に慣れていないのか少し違和感のある話し方だった。
そうそう、これが普通だ。
だって彼は……。

エース・トラッポラ
おい監督生!グリムが逃げ出し……

エース・トラッポラ
は、
あなた
…ぇ

目の前に、元彼。
最悪だ。
背が少し伸び、髪のセットが前よりちゃんとしている。
そして、デュースと同じように真っ赤なハートのスートのメイクが施されている。

エース・トラッポラ
なん…は?
いや、お前行方不明って…。
あなた
……それは嘘。
お母さんに言わせたヤツ。
エース・トラッポラ
何言ってんだ、あなた?
なあ、なんで急に居なくなって…
あなた
そっちが振ったんでしょ。
なんでも私のせいにしないで。

二人の間には、最悪な空気が流れていた。










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