少し人が減ってきて、サイドストリートがよく見渡せるようになった。
改めてこの長い道とそこに連なる店の数に驚く。
サイエンスクラブの屋台には可愛らしい装飾が施されていた。
踏み込みすぎないことがマストだろう。
そんな会話の間にサイエンスクラブの人がラッピングを済ませていた。
いい匂いが立ち込める。
お菓子作りは前に趣味でやっていたので食欲が啜られる。
ユウはやった!と可愛げに飛び跳ねた。
ここでお別れなのは寂しいが、まだまだ回れていない所があるので全部回る頃には終わってしまうだろう。
深い青色の髪の毛を持つ男の子が現れた。
左目には大きなスペードのスートがある。
この子も確かVDCのステージに出てたはずだ。
女子に慣れていないのか少し違和感のある話し方だった。
そうそう、これが普通だ。
だって彼は……。
目の前に、元彼。
最悪だ。
背が少し伸び、髪のセットが前よりちゃんとしている。
そして、デュースと同じように真っ赤なハートのスートのメイクが施されている。
二人の間には、最悪な空気が流れていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!