中学3年の夏、小学生を庇って、トラックに跳ねられた。
背中に大怪我、頭を強打、1ヶ月近く意識不明。
そんな状態だったけど、しばらくしたら目を覚まして、その日のうちに色々検査をして、1週間入院して漸く退院した。
俺が庇った小学生は、今も元気にやっているのだろうか。
小学校5年生の時。
信号無視のトラックに跳ねられそうになった俺を、庇ってくれた中学生くらいの男子がいた。
背はすらっと高く、細身で、綺麗な顔立ちをしていて、毎朝見かける男子だった。
いつもは落ち着いた表情の彼が、この時ばかりは焦った表情をして、俺を歩道側に突き飛ばしてくれた。
そのお陰で俺は無傷だったが、彼は、血の海に溺れていた。
その後のことはよく覚えていない。
彼の横で泣きながら彼の手を握っていたことだけは、朧気に覚えている。
彼の怪我は、背中と頭、特に背中が酷かったらしく、広い範囲に跡が残ると聞かされた。
毎日のように彼の病室に通った。
普段かけていたメガネがサイドテーブルに置かれ、包帯だらけの彼の姿はどこか別人のように見えた。
彼が退院するその日、俺は怖くて行けなかった。
彼は、俺を責めるかもしれないと思ったから。
結局その後連絡もなく、接点もなかった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。