試験が終わった。
試験官の声が教室に響く。
私はゆっくりペンを置いた。
小さく息を吐く。
しばらくすると教室の中はざわざわし始めた。
そんな声が聞こえてくる。
私は静かにカバンを持って、教室を出た。
校門を出ると、冷たい空気が頬に当たる。
冬の空気。
私はゆっくり歩き始めた。
手応えがあったのか、なかったのか。
正直、よく分からない。
でも。
一つだけ、確かなことがある。
ここまで、ずっと勉強してきた。
不安になった日も。
模試で落ち込んだ日も。
夢をしまいそうになった日も。
全部。
ここに続いていた。
私は歩きながら空を見上げた。
冬の空。
少しだけ青くて、広い。
しばらくその空を見つめる。
胸の奥が、少しだけ軽くなった。
結果は、まだ分からない。
でも。
今はただ。
私は小さくつぶやいた。
それは、誰に言ったわけでもない。
ただ。
自分に向けた言葉だった。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。