第11話

初めての朝
28
2021/02/01 11:38

目を覚ますと体は汗だらけだった。

不思議だ…あの不思議な…あの夢はなるべく見たくない。

するとノックの音が聞こえた。

「あなたちゃん?入るよ?

昨日はゆっくり眠れた?」

悪い夢を見たような気がするから、本当にゆっくり寝たとは言い切れないけれど、まぁ寝れたし…いっか。

「うん。」

するとにこっと彼女は笑った。

「じゃぁ制服に着替えて朝ご飯食べに行こう。制服…クローゼットの中に入ってるはずだから。」






クローゼットにあった制服を着て、共同スペースに行く。

「似合ってるよ!」

なんて、彩さんに言われたものだから少し恥ずかしい。

食事は自分で好きな量を取るらしく、彩さんは大量に乗っけていて、それを私よりも早く食べ終えるから驚いた。

部屋に戻り、準備をして案内してもらおうと廊下に出たとき。

「あ、彩だ。水月ちゃんも。」
「朱音先輩、愛奈先輩!おはようございます。」
「おはようございます…」

朱音…先輩、と愛奈先輩が前から来た。

ザワッと周りがざわつき始める。

『見ろよ。トップだぜ…』
『まさかあの一年って、自然能力の子じゃない?』
『隣にいるのは誰?』
『転校生?』
『あの子の隣にいるって事はあの子も自然能力なのかな…?』

「ちょっと場所変えよう。談話室に行こうか。」
愛奈先輩がそう提案し、場所を移動した。


談話室は部屋に絨毯がひいてあり、本棚が片方の壁一面にあった。その部屋にはピアノも置いてあった。

「ここには、隊員しか来れないから。
水月ちゃんもいつ来ていいよ。」と言われた。

「で、朱音先輩方。何かあったんですか?」

絨毯の上に座らされ、話を聞く。

「なんか、侵入者がいるらしいんだよ。」
「え⁉あの警備をくぐり抜けてきたんですか?」

愛奈先輩はうなずく。

「私たちの生徒情報が漏れると痛手を負うことになるから…そして、転校生である水月ちゃんの前に現れると、襲われることにもなる。だから私たちが護衛に着くことなった。」

護衛…?
けろっと衝撃的事実を話され、頭がついていかない。

「と言うことで今日1日はずっと一緒にいるよ。よろしくね。」

と言われ私は「よろしくお願いします」と言わざるを得なかった。

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