あなたside
「ごめんね、あなたちゃん。」
部屋を出た私は急に樹里さんに謝られた。
「い、いえ!」
樹里は1つため息をついた。
「彩はね~…。
私より先にこの学校にいたんだ。
あ、私は中学最初からいたんだけどね…、それよりも最初にいたんだ。
かといって小学部から居たわけじゃないらしくて。
小学校6年生の後半に中学生にまじって訓練してたみたい。だから私は、彩が先輩との間に何があったかはよく知らないけど…。
とにかく、彩は先輩方を相当信頼してるんだよね。
注意されたの結構堪こたえられなかったんじゃないかな?」
彩は特別な環境にいたことが分かる。
「あ、そういえば…、『暴走』ってなんですか?
「あぁ、暴走はね、みんな起こり得るんだよ。
どういう原理で暴走が起きるのかまだ詳しくわかっていないらしくて…。
自分の心境と深くつながっているらしいよ。
暴走すると周りの物を攻撃し始めるようになるんだって。
簡単に言うとね、能力がコントロールできないことのことだよ。
彩は能力が強いから暴走すると街1つは安易に壊せるんじゃない?」
暴走って恐ろしいんだ。
そう言って樹里さんは自動販売機の前で止まった。
「あ、オレンジジュース飲める?」
そう言われて、私がうなずくと、樹里さんは私に自動販売機で買ったオレンジジュースをくれた。
ペットボトルを開けてひと口飲むと、さわやかで甘い味が広がった。
「オレンジジュースっておいしいんですね…!」
私が少し感動していると、樹里さんは驚いた顔でこっちを見た。
「オレンジジュース、飲んだことないの…?」
「はい…。見たことはありますけど。」
樹里さんは自分のりんごジュースを吹き出しそうになりながら私の発言に驚いていた。
オレンジジュースってみんなが飲んだことあるくらいポピュラーなものなの?と考える。
「うーん…炭酸は?」
「…たんさん?聞いた事はありますけど…」
またまた樹里さんは驚いた。
「わぁ…。今度一緒に飲もう。」
「はい!」
そんな約束をしていると…
「嫌ぁぁぁぁ‼‼」
という断末魔のような叫び声が鼓膜を貫いた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。