ー深澤sideー
会ったらなぜか変な事を言い始める俺の母。
でも、そんな嫌な母親でも死ぬのは悲しい。
実の親だからという事もあるのだろう。
俺は多分、葬式で泣いてしまうだろうから。
そんな姿、あなたには見せられない。
そう、皆んないつも通り接してくれるだけ。
皆んな気を遣っているのがすぐに分かる。
まぁ、ありがたいんだけどね笑
そう、皆んな行こうとしていた。
でも、俺は泣いてる姿なんて照以外見せたくない。
最年長という意地もあるんだろうけど、、、
大学生の2人が出かけたところで、俺は準備する。
最近、起きるのが早いのは寝れないから。
なんで寝れねぇのかなぁ。
俺は正直に悩みを言えるような奴じゃないから。
素直な子に生まれてればなぁ、、、
照が運転する車に素早く乗り込む。
最近、俺のそばには照がいてくれる。
俺の事を一番よく知ってるのは照だからな。
少し目を瞑ってみたけどやっぱり寝れない。
照が曲をクラシックに変えてくれても寝れない。
きっと、不眠症が再発したんだなと思う。
それから葬式が終わるまで話すことはなかった。
俺が唯一葬式で覚えてるのは、康二と阿部が来た事。
くんなって言ったのになぁ、、、
俺はすでに涙で溢れていた。
帰りの照の車では4人とも話すことはなく。
家に帰ってもほぼ話さなかった。
まずい、あなたにも聞かれてたか、、?
だっせぇ最年長なんて嫌だな。
俺は照の胸の中で泣いてしまった。
もう、号泣で号泣で、、、涙が止まらない。
我慢するのって良くないって、この身で体験した。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!