翌朝、私はぐさおさんの家で目が覚めた
…ぐさおさんとぐさおさんのお母様には、凄く…物凄く良くして頂いた
わざわざ、使っていなかった2階の一室(和室だ)を掃除して、私に使わせていただいたり
それに、ぐさおさんのお母様のご飯、凄く美味しかった
あぁ、そうそう、ルカ兄には荷物を持ってきてもらったりして申し訳なかったけど…
って少し寂しそうな顔をして言ってくれた
寂しそうな顔をしてくれて、心配してくれてるのが伝わってきて少し嬉しくなったのは秘密だ
閉じている扉の前からぐさおさんが声をかけてくれる
…ぐさおさんの家って和風な大きい家だから、かなりの広さがある
それに2階立てだし、洋室もある
来たときはもう「なにこの豪邸凄っ」って思ったぐらいだ
なるべく、元気よく返事をする
まぁ、それに安心したのかぐっすり寝れて実際に凄く元気だ
…新しくなったこれからの生活が楽しみだ
だって、今だけでも、こんなにも幸せなのだから
時と場所は変わり、今は学校だ
今日は休んでもいいって言われていたけど、なんだか落ち着かないから、結局来てしまった
教室に入るとレイラーさんが挨拶を返してくれて、昨日無断欠席したことへも心配してくれた
…………、私は莫迦だったな
こんなに心配してくれるなんて、分かってなかった
私1人居なくなったとしても、みんな何とも思わないって思ってた
「大丈夫?」って言われるなんて微塵も思ってなかった
私って周りの人に恵まれていたのかもしれない
…親は別だったみたいだけど
明るく振る舞って、これ以上心配をかけないようにする
それが今、私にできる精一杯の誠意だ
疑問は残るがまぁ、転入生は楽しみだ
どんな人かな?あぁ、仲良くできたら良いなぁ
何気ない日常だが今までの色褪せた景色とは違って、きらきらして見えた
放課後、なんとなく中庭を歩いていると暮木和奈さん(【第6章 劣等生と優等生_1話】に出て来たよん )に捕まった
…親へのことは吹っ切れたと言えば、吹っ切れたけれど、
それとこれは別で、暮木さんのことは怖い
それに分からない人こそ、何をし始めるか分からなくて…怖いのだ
こちらをじっと見てくる瞳は何を考えているのか、まったくもって分からない
…たぶん、始めて言い返せたと思う
はじめ、暮木さんを見た時に下手に逆らったら駄目だって思っていた気がするし
それに暮木さんが少し驚いて、後ずさったのを見るにあっているはずだ
う〜ん、なんだろ、暮木さんがゲームの悪役令嬢みたいに見えてきた
そう思っていたら、なんだか気が楽になってきた
ふっ、そうと思えばこっちはゲームのヒロインかな!
大丈夫ヒロインなんて、ただ言い返せばいいだけだ!
いやー、端から見ると私も悪役っぽくなっちゃってる?
まぁ、面白いしいっか!
突然、暮木さんは笑い出した
今のどこが可笑しかったのか私にはさっぱりだ
優雅に口に手を当て、口元を隠した
その仕草は綺麗で、手慣れているように見えた
本当にどこかの令嬢のようだ
…言動は悪役みたいだけど
暮木さんはそのまま、立ち去ってしまった
今まで誰もいないところで会ったら、何かされていただろうに
…まじでなんでだろう
心替わりとか?いやいや、あんな幼子みたいな我儘を言う暮木さんが??うーん、あり得ないか
結局分からず仕舞いで、私もその場から立ち去った
暮木さんが実はそっとこちらの様子を伺っていたのも知らずに
※特に何も起きません
あの後、とりあえずぐさおさんの家に戻る?帰る?ことにした
今はその帰り道で、丁度昨日あの子供達と遊んだ公園に差し掛かるところだった
あの子供達に凄く似ている知り合いがいた
もう、いないが…
それはもう色々とあって、ね。
…ルカ兄もかなり堪えていたな
ルカ兄と同い年で、小さい頃から良く遊んでいて、仲が良くて…、
何か懺悔しながら、涙が枯れてしまうのでは?って思うほど、泣いていた
思い出すだけで、悲しい
目頭が熱くなるが分かる
でも、泣く訳にはいかない
だって、前を見て進むしかないから
あの子達はきっと…、他人の空似だ
きっと…、きっと、そうだ
私は神様なんか信じていない
だから、輪廻転生( 生まれ変わるっていうかんじの意味です。ついでにいうと仏教です(( )なんか信じていない
だから、あの子達が生まれ変わりなんてあり得ない
後ろから声をかけてきたのは、Latteさんと一緒帰っているらしきウパさんだった
あぁ、そういえばウパさんはルカ兄に〚セイレイさん〛を教えてくれたんだっけ?
昨日、ルカ兄が言ってたな
まぁたぶん、探し回っている間に会ったのだろう
まぁ、うん、嘘は言ってないはずだ
危険なことはなかったはずだし
そして、ウパさんとLatteさんと別れ、また歩き出す
…そういえば、ウパさんとLatteさんに会う前、なにを考えてたっけ?
まぁ、忘れているし問題無いってことかな
私はそのまま、公園を抜けた
昨日ここで出逢った2人の子供の存在を忘れて___






















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。