そう言って眼帯を外した
いいよ、と返事をしようとした時。
また過去のトラウマがフラッシュバックしてくる
途端に吐き気がして、膝から崩れ落ちる
過呼吸を起こして口元を抑えているあなたを落ち着かせながらも、足元にころがってきた宝石に気を取られる
焦点があっていない深く暗く渦巻いた目で頭を抱えて誰かに謝る。
そういってあなたは眠りに落ちた
目を開けて声を発するより早く伊波せんぱいが
枕元に駆け寄ってくる
何故フラッシュバックしたのかを考える。
…あぁそうか。薬を注射していない
私の打つ注射器は魔法によって作られている。
さらにそれを作るには条件があって、自分と相性のいい魔導師としか作ることが出来ない。
そうすれば魔力が混ざって……という訳だ
その小指に自身の小指を絡めた私は呟く。
私の魔法名詞であり自身を縛り付ける大嫌いな呪文を
そう言い終わるのと同時に小指を離し、空中に
現れた注射器を手に取る
それをすぐに腕に突き立てるようにして刺す
その言葉を最後に私は再び眠りについた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。