夜道をるぅとくんと歩くのはなんだか緊張する。
同時に入社したけど、あまり喋ったことはない。
るぅとくん、私に何聞きたかったのかな。
ーーー
職場に入ると、席順が変わっていた。
さくらが指さしたのは、るぅとくんとななもりさんに挟まれている席。
社長は、1枚の紙をさくらに渡した。
新しい自分のデスクに行くと、両隣から「おはよ」と言われた。
なんか落ち着かないなぁ……
私が書類と睨めっこをしていることに気づいたななもりさんが声をかけてくれた。
それにしても、パソコンで文字を入力するのも前より早くなった。
さとみさんの言う通り、やってるうちに慣れたのだろうか。
私のシャーペンを拾い上げて、私の手に収めた。
両隣にイケメンが居るってなんだか大変だ。
変に緊張する。
ーーー
さくらは箸を動かしながら言う。
ーーー
新しい仕事を持ってくるために、私の所まで来てくれた。
これは気のせいではない。
たったの4週間、隣に居ただけだけれど、間違いない。
さとみさん、今日は、
!!いつもと香水違う!!
なんで香水変えたのかな。
前のも好きだったけど、今日のやつも好き。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!