光クラブに入ってから早2年が経とうとしていた。
僕は身長も伸び、タミヤとさほど変わらないくらいになった。
皆次第に肩幅が広がり、声変わりが始まった。
あんなに成長を拒絶していたゼラも、僕らと同じように成長していった。
今日はおよそ1年半前から作り始めたマシンが完成する日だった。
ゼラの予測より1ヶ月遅れたけど。
いつもジャイボに挨拶しているけど
まともに返してもらったことはほとんど無い。
雷蔵やタミヤとは少し仲良くなれた。
他の奴らとも何とか打ち解けて
今では軽く会話もするようになった。
ニコとはあんまり仲良くないけど。
数ヶ月前、ゼラとジャイボがみだらな行為をしているのを見かけてから、ゼラとは話さなくなった。
ー 光クラブ ー
''僕たちには君が必要''…ねぇ
僕にはジャイボがいれば他には何も要らないけど。
……なんてことを考えているうちに、デンタクが起動の数字を押し、ライチが起き上がった。
みんなキャーキャー言ってたけど
僕は何にも感じなかった。
とりあえず空気を読んで
嬉しそうな''フリ''をした。
''少女捕獲''
光クラブには少女が必要……か。
ジャイボが美の象徴だとか言っておきながら……
結局はゼラも色欲にまみれた
オスなんだよ……
少女捕獲……
どうせ失敗するだろうけど。
機械とはいえ、所詮は中学生がたったの10人で作ったものだし。
絶対
成功するはずなんて…ない
僕の想像通り
ライチには美少女の捕獲なんて無理だった。
最初連れてきたのは人ですらなかったし。
その後は2人続けて美しくも無い女。
その次はオッサンだった。
内心ホッとしていた。
何故か分からないけれど、僕のなかのナニかが言うんだ。
''少女が来たら光クラブは崩壊する''って。
タミヤがこう言い出した時は驚いた。
彼もてっきりライチの完成を喜んでると思っていたから。
…まぁ、元々光クラブのリーダーだったはずなのに急にゼラに立場を奪われたんだ。
無理はないだろうね。
この頃からタミヤとはよく話すようになった。
こっそりゼラの愚痴を言ってみたり
ライチが少女を捕獲できるか意見を言い合ってみたり……
それなりに楽しかったと思う。
ライチに美を教え始めてから数日。
ライチが星華女子中の生徒を捕獲してきた。
マスクを被っていてもわかる。
きっとすごく綺麗な子だ。
ライチの腕に抱かれ
すやすやと眠る少女から僕は目が離せなかった。
その場にいた全員が息を飲むほど
美人だった。
綺麗なロングヘア
華奢な体つき
小さな背……
いいな、僕のほしいもの全部持ってるんだ
女の子って
ああ、全然話聞いてなかった……
玉座を少女一号のものに……か
''少女一号''……もっとマシな名前あるだろ。
雷蔵が女っぽいから…というのはわかるけど
何故僕も?
なんやかんや言って、僕はゼラに嫌われてはないと思う。
まぁ都合のいいように使われてるだけだろうけど。
せっかく少女を捕獲したのに
少女は起きるどころかずっと寝ている。
一緒に髪の毛や顔を拭いている時にいつも雷蔵はこう言う。
誰も気づいていないんだろうか。
…これは僕の勘だけど、この少女は……
きっと''寝たフリ''をしてる。
別に彼女が起きていようが寝たフリしていようがどうでも良いけど、欲を言えば起きて欲しいな。
少しでいいから話がしてみたい。
僕は女性との関わりなんてほとんどないし
あったとしても汚れた母親だけだ。
汚れなんて知らないようなこんな綺麗な女の子、興味しかない。
僕も所詮は男だ。
興味が無いはずない。
何があってもジャイボが1番なのは変わりないけど。
起きるんだろうか。
寝たフリをしているんだとしたら僕らがいる時には起きないだろう。
となると…狙うは解散した後か。
別に理由なんてないけれど同世代の女の子がこんなに近くにいるなんてなんて初めてだから。
ゼラにバレないように、明日の解散後、もう一度来よう。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!