第3話

chapter 1
533
2024/12/10 11:21 更新


光クラブに入ってから早2年が経とうとしていた。


僕は身長も伸び、タミヤとさほど変わらないくらいになった。
皆次第に肩幅が広がり、声変わりが始まった。
あんなに成長を拒絶していたゼラも、僕らと同じように成長していった。

今日はおよそ1年半前から作り始めたマシンが完成する日だった。


ゼラの予測より1ヶ月遅れたけど。

あなた
おはよう、ジャイボ
ジャイボ
キャハッ……


いつもジャイボに挨拶しているけど
まともに返してもらったことはほとんど無い。

雷蔵
あらっ!あなたのニックネームおはよう ♪
あなた
ああ、雷蔵……
あなた
おはよ
タミヤ
おっす!雷蔵、あなたのニックネーム!
あなた
タミヤ、おはよう
雷蔵
タミヤもおはよう ♪
雷蔵
朝からイケメン2人に会えるなんて、雷蔵ちゃんラッキー♡
あなた
ははは……


雷蔵やタミヤとは少し仲良くなれた。

他の奴らとも何とか打ち解けて
今では軽く会話もするようになった。


ニコとはあんまり仲良くないけど。





数ヶ月前、ゼラとジャイボがみだらな行為をしているのを見かけてから、ゼラとは話さなくなった。



ー 光クラブ ー


ゼラ
僕たちには君が必要だ!
ゼラ
さあ目覚めよライチ!!


''僕たちには君が必要''…ねぇ


僕にはジャイボがいれば他には何も要らないけど。



……なんてことを考えているうちに、デンタクが起動の数字を押し、ライチが起き上がった。



みんなキャーキャー言ってたけど
僕は何にも感じなかった。


とりあえず空気を読んで
嬉しそうな''フリ''をした。

ゼラ
おはよう
君の名前は?
ライチ
私…は…ラ……イ…チ
ライチ
私の…名前はライチ……
ゼラ
そうだ
では君が生まれてきた目的はなんだ?
ライチ
ホカク…
ショウジョ……ホカク



''少女捕獲''



光クラブには少女が必要……か。
ジャイボが美の象徴だとか言っておきながら……



結局はゼラも色欲にまみれた
オスなんだよ……


ゼラ
そうだライチ
君の目的は少女のホカクだ
ゼラ
君ら破滅の悪魔か希望の光か……!!
ゼラ
ライチラライチララライチ……



少女捕獲……



どうせ失敗するだろうけど。
機械マシンとはいえ、所詮は中学生がたったの10人で作ったものだし。



絶対
成功するはずなんて…ない





僕の想像通り
ライチには美少女の捕獲なんて無理だった。



最初連れてきたのは人ですらなかったし。
その後は2人続けて美しくも無い女。
その次はオッサンだった。



内心ホッとしていた。
何故か分からないけれど、僕のなかのナニかが言うんだ。



''少女が来たら光クラブは崩壊する''って。



タミヤ
機械に美を教えるなんて無理な話さ!


タミヤがこう言い出した時は驚いた。



彼もてっきりライチの完成を喜んでると思っていたから。
…まぁ、元々光クラブのリーダーだったはずなのに急にゼラに立場を奪われたんだ。



無理はないだろうね。


あなた
機械が感情なんて持てるはずないんだよね
あなた
いくらインプットを重ねたって
美なんて分かりはしないよ
タミヤ
そうだよな……!
タミヤ
あなたのニックネーム、お前気が合うな!
あなた
ははっ、そうかもしれないね



この頃からタミヤとはよく話すようになった。



こっそりゼラの愚痴を言ってみたり
ライチが少女を捕獲できるか意見を言い合ってみたり……



それなりに楽しかったと思う。





ライチに美を教え始めてから数日。



ライチが星華女子中の生徒を捕獲してきた。
マスクを被っていてもわかる。
きっとすごく綺麗な子だ。



ライチの腕に抱かれ
すやすやと眠る少女から僕は目が離せなかった。


あなた
(綺麗な子だったらどうしよう)
あなた
(ジャイボが少女を好きになったら)
あなた
(僕よりも美しかったら……)
雷蔵
マスク外すわよ……!



その場にいた全員が息を飲むほど
美人だった。


雷蔵
こんな綺麗な子…見たことないわ……


綺麗なロングヘア


華奢な体つき


小さな背……




いいな、僕のほしいもの全部持ってるんだ
女の子って


ゼラ
この玉座は今より少女一号のものとなった!!



ああ、全然話聞いてなかった……



玉座を少女一号のものに……か
''少女一号''……もっとマシな名前あるだろ。



ゼラ
雷蔵、あなたのニックネーム
お前たちは少女一号の髪の毛と顔を拭いてやるのだ
雷蔵
はぁい、ゼラ ♪
あなた
えっ、僕も?



雷蔵が女っぽいから…というのはわかるけど
何故僕も?


ゼラ
嗚呼
ゼラ
頼めるか?
あなた
うん、分かったよゼラ



なんやかんや言って、僕はゼラに嫌われてはないと思う。
まぁ都合のいいように使われてるだけだろうけど。


ジャイボ
…………キャハッ


せっかく少女を捕獲したのに
少女は起きるどころかずっと寝ている。

雷蔵
全然起きないわねぇ、この子…
あなた
うん、そうだね


一緒に髪の毛や顔を拭いている時にいつも雷蔵はこう言う。



誰も気づいていないんだろうか。



…これは僕の勘だけど、この少女は……
きっと''寝たフリ''をしてる。


あなた
まあ、どうでも良いけどね
雷蔵
あなたのニックネーム、何か言った?
あなた
……ううん。何にも


別に彼女が起きていようが寝たフリしていようがどうでも良いけど、欲を言えば起きて欲しいな。



少しでいいから話がしてみたい。



僕は女性との関わりなんてほとんどないし
あったとしても汚れた母親だけだ。



汚れなんて知らないようなこんな綺麗な女の子、興味しかない。


あなた
ほんとに、早く起きればいいのにね
雷蔵
あらっ、あなたのニックネームもそう思うの?
あなた
まぁね



僕も所詮は男だ。



興味が無いはずない。
何があってもジャイボが1番なのは変わりないけど。


あなた
まあ、きっとすぐに起きるよ
雷蔵
えぇ、そうね ♪



起きるんだろうか。



寝たフリをしているんだとしたら僕らがいる時には起きないだろう。



となると…狙うは解散した後か。



別に理由なんてないけれど同世代の女の子がこんなに近くにいるなんてなんて初めてだから。



ゼラにバレないように、明日の解散後、もう一度来よう。







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