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第2話

🎴(オリキャラ出ます)
400
2025/08/24 10:23 更新


お兄ちゃんの名前は、あなたの名字悠誠(ゆうせい)です。




遡ること、2年前……

悠誠
あなたの下の名前、帰ったよ
あなた
兄様!


士官学校を卒業し、本格的に入隊する前に兄様はわたしたちのいる故郷に帰ってきた。


家を出る前より立派になっていた兄様は、その帰省中に病にかかった。


結核だった。


あなた
兄様、しっかり
悠誠
あなたの下の名前…


兄様の士官学校で鍛えた腕は見る間にやせ細り、だんだん食事も取れなくなった。


あの苦しそうな咳は今でも耳にこびりついている。


布団からはみ出た手を握りしめたわたしに、兄様は言った。


悠誠
俺はもう無理かもしれない
あなた
そんなっ
悠誠
あなたの下の名前、お願いがある


それが全ての始まりだったに違いなかった。


兄様はわたしにひとつだけ頼み事をした。


悠誠
俺の代わりに、北海道の第七師団に入隊してほしい
あなた
え、
悠誠
お前と俺はよく似ている
悠誠
だからきっと大丈夫

兄様がこんな頼み事をするのには理由があった。


わたしの家は貧しかったのだ。
だけど兄様が軍隊に入れば、その給料でなんとかやって行けるはずだった。


だけど兄様はもう長くは生きられない。


悠誠
頼んだぞ


はい、と頷いたわたしに笑いかけた兄様に、いま思うことはひとつだけ。









……いや無理あるやろ!!!



士官学校出てないんよ???????

わたしなにも知らないよ???????


なんでいけると思たの???????


わたしがまな板だから???(((((


でもその疑問を消費する前に、兄様は死んでしまった。




そういうわけで、わたしは今、兄様の代わりにここ第七師団の屯営所に行くことになってしまったのだった。




??
おい
あなた
は、はい!
??
お前、いつまで俺を待たせるつもりだ
あなた
あ、案内役の…
尾形百之助
尾形だ
あなた
お待たせして申し訳ありません!
あなた
あなたの名字悠誠と申します!
尾形百之助
尾形百之助
お前、随分細身だな


一難去ってまた一難とはこのことか。


勘がいいやつ多すぎやん…


尾形百之助
…付いてこい
尾形百之助
案内する
あなた
ありがとうございます!
尾形百之助
……元気だな
あなた
え、あ、
あなた
申し訳ありません
尾形百之助
いや、いい
尾形百之助
行くぞ


ここが風呂場、こっちは厠、あそこが宿直室、などと尾形さんは割と丁寧に説明してくれる。


あなた
尾形…
尾形百之助
上等兵だ
あなた
尾形上等兵
尾形百之助
なんだ
あなた
案内ありがとうございます
あなた
ところで鶴見中尉はどこにおられますか
あなた
屯営所についてから挨拶がまだなのですが
尾形百之助
鶴見中尉は忙しいからな
尾形百之助
それよりこの時期に入隊s…
??
おい尾形ァ、
??
随分珍しいワンコロ連れてるなあ
あなた
わんころ?!
尾形百之助
くそ宇佐美…
宇佐美時重
こんな時期に入隊者か?
宇佐美時重
まさか鶴見中尉の、


なになになになになんですか??

すごい顔で睨んでらっしゃる、この宇佐美さんとやら…

尾形百之助
ただの新兵だ
尾形百之助
うるせえぞ宇佐美
宇佐美時重
で名前は?
あなた
江井悠誠と申します
あなた
二等卒です
尾形百之助
中尉に会いに行くところだ
尾形百之助
そこ退け
宇佐美時重
はぁ?
宇佐美時重
中尉に何の用だよ
あなた
入隊の挨拶させていただこうかと…
宇佐美時重
僕も行く
尾形百之助
お前今中尉の執務室から出てきたばっかりだろ…
尾形百之助
めんどくせえな…




鶴見篤四郎
よく来たな、あなたの名字
鶴見篤四郎
他の2人は席を外してもらおうか
宇佐美時重
どうしてですか!
宇佐美時重
僕になにも用がないってことですか?!?!?!
鶴見篤四郎
宇佐美の用はもう済んだからね戻ろうね
尾形百之助
鶴見篤四郎
尾形も案内ありがとねー


2人がしぶしぶ(?)部屋を出ていくと、鶴見中尉はこちらを向く。

鶴見篤四郎
さて、改めて入隊おめでとう
あなた
はい!ありがとうございます!
鶴見篤四郎
兄の代わりに来るとはなかなか勇気があっていい
鶴見篤四郎
髪やら個室やら色々待遇を考えたが、女であっても訓練と任務だけは他と対等に行う
鶴見篤四郎
いいね?
あなた
もちろん、そのつもりです
あなた
よろしくお願いいたします
鶴見篤四郎
ではあなたの名字の所属だが、


鶴見中尉がそう言うと、執務室のドアがノックされる。


入ってきたのは、


月島基
お呼びですか
あなた
ヴェ


えめっちゃ厳しい人だ


月島さんとかいう…


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