第6話

0話 誰かが壊すお話〜後〜
26
2024/04/23 08:00
喩
…!
喩
喩
……なぁ、お前は誰?神様…?
貮
声が聞こえたから来たんだけど…後、俺は神様じゃない。人間だよ
貮
でも、そう呼ばれている奴はいる。涙の遺跡っていう場所に
喩
(おかしい、私が見たいと願った未来は神様の未来。こいつは誰?)
喩
今、お前がいる所は何処?
貮
俺は今、忘却の遺跡って場所にいる。でもほとんど崩れてて、よく分からないけど
喩
(崩れてる忘却の遺跡…なら本当に誰かの未来なんだ…)
貮
俺は、神様を助けたい
喩
え?
貮
信仰を消して、本当の名前を知る人間が神様のいる場所から引き離せば人間に戻れる
貮
そんな儀式があるみたいなんだ。神様を救う唯一の儀式
貮
ただ、それが出来なくて神様の心が死ぬと輪廻の輪に還れなくなって、消滅するって
喩
神様を救う儀式…
貮
だから俺は__……
貮
………
貮
でも、俺は不安なんだ…
喩
……
貮
調べたけど、この儀式は成功した事が無いみたいなんだ。誰も神様を救えなかった
貮
…それなのに出来るのかなって。成功するかも分からないこの儀式を…
貮
今は信仰が消えなくて出来ないから待たないとけないし…
貮
それに、俺が生まれ変わる事が出来て戻って来れたとしても、その時の俺は…
貮
みんなの事、覚えているのかって……こんな弱気じゃ駄目なのにな
貮
……ごめんな、喩
喩
え…?
貮
……ってあれ?喩って誰の名前だ?あれ、俺…?
喩
(もしかして、でも、まさか…)
喩
…なぁ、お前は、雨が嫌い?
貮
…?……
貮
…嫌い、だよ。雨は誰かが泣いているみたいで、嫌い
喩
そっか…そっか
喩
なぁ、お前の名前…何て言うんだ?本当の名前を、教えて欲しい
貮
本当の名前?…よく分かんねぇけど。俺の名前は、「貳」
喩
「貳」、それが本当の名前。なぁ、お前の未来はちゃんとあったよ
喩
…あったんだよ
喩
なぁ、「貳」
喩
……
喩
私は、お前を…未来まで送り出すよ
貮
え?
喩
諦めないで。お前ならきっと…出来る
喩
お前が言った神を救う儀式。それは"過去"で"今"成功する…
喩
お前がそれを、証明している
貮
……どういう事だ?
喩
今のお前には分からないだろうけど…ただ、自分を信じてくれ
貮
貮
貮
…お前からは、何か懐かしい感じがするんだ。だから俺はお前の言葉を信じる
貮
俺は、みんなを救うから!
貮
最後まで諦めないから
喩
…うん
貮
そろそろ行かねぇと。神様の所に
貮
あ、そういや…お前の名前は、喩であってるか?
喩
うん、あってる。後で改めて自己紹介するから安心しろ
喩
じゃあまた後で…そして、さようなら。「貳」
喩
なぁ……なぁ!まだ消えちゃ駄目だ!
?
…うぅ
?
喩
ここはもう、壊される。その前に、早く!
?
……何を…しようと…
神の手を引く
喩
…!!
ガッシャーン
?
…今の音は?それにこれは、瓦礫?…あれ、どこに行ったんだ?……!?
?
なぁ!?大丈夫か!?
喩
……大、丈夫
?
……全然大丈夫じゃ、ないだろ…!?……嘘つくなよ!
喩
……今、まで嘘ついてた、お前が…言う?
喩
……私の事、は良いから。どう、せ埋もれるか、殺されるか、の運命…だったから
?
…何で、何で。こんな事に…
?
俺が消えて、全てを終わらせるはずだったのに。どうして…
?
……
?
俺がもっと早く、消えていれば。救いなんて、求めなければっ……!
喩
でもお前が諦めなかった、から未来まで、途切れる事無く…紡がれるんだ
?
え?
喩
……
喩
お前をここから、救う事が…災いが無くなって、みんな救われる事になるから
喩
……私が、ここに来た…理由、覚え、てるか?
喩
……私はただ、普通にみんな、と遊びたい
喩
…私は、この命、は諦める…けど…この願い、だけは諦めないから
喩
だ、から、後は…任せたからな生まれ変わった、世界では、きっとみんなで!
喩
……
神の手を掴む
喩
あ、そうだ。自…己紹介、しないとな
喩
私の名前は『喩』。
「貳」を外へ突き飛ばす
貳
…!?…待ってくれよ、まだ…!!
ドンッ
喩
ちゃんと、救い……の、未来はある。先に向かってて…
喩
それで…みんなを……私、達を助けてくれ、「貳」


































許さない、絶対に許さないから
喩
……誰かの、声が聞こえる…いや、違う。これは……私の声、かな
あの人間が言った未来は、来ない、私が壊すから
喩
"人間"かぁ……そうか、私…本当に、神…様になっちゃうんだ…なぁ
喩
なぁ、『喩』…聞こえるか?
誰だ?どこから話をしている?
喩
ふふふ、どこ、だと思う?思い当…たる、場所、あるだろ?
喩
だって…この会話、は2回目…だもん、な?昔す…ぎて忘れちゃった、か?…私?
………………
私は神になって、見てきた
期待して後悔するのはもう嫌だ
喩
そうか
喩
なら、お前の……したい、事をすれば良い。だって…私、の想い……と願いは託した、から
喩
貳なら、きっと…それを、別の誰かに、託して。未来、まで紡いで……くれる…その時まで
……
喩
言い、返さないって…事は、託された誰かに、会った…んじゃ、ないか?
喩
なら、私……は安心、して、ここで死ねる
喩
…………おやすみ、未来の私
第0話 終了

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