中編くらい長めです。
出発の朝、僕は早めに支度を終わらせてユウマくんの部屋に
訪問した。相変わらず笑顔で僕に接してくれる。
でも優しいその笑顔の後ろに隠れている寂しさを、僕は知っている。
ユウマくんだって寂しいって思ってるはずなのに、
どうして言ってくれないの。ハルア行かないで、って。
段々ユウマくんの顔から笑みが消えていく。
口から発される言葉とは裏腹に、曇った表情をしている。
イタリアへ一緒に行くことくらい出来ないのかな。
寂しさと、大きな仕事を務める事への不安とで涙が溢れる。
はぁ、ユウマくんの腕の中はあったかい。
寝起きだからか、いつもより少し高く感じられる体温。
このまま、離れたくない。
そう思ったのも束の間、扉の向こうからJOくんの声が聞こえ、ユウマくんの熱が離れていく。
こんなに虚しいことなんてないよね。
また零れてきそうな涙をぐっと我慢して立ち上がる。
すると、突然ユウマくんにキスを落とされた。
唇と唇を合わせるだけの、甘いキス。
堪えたはずの涙が僕の頬を伝う。
顔を離し、僕の涙を拭ってくれたユウマくんの表情は、
さっきよりも晴れやかだった。
今伝えないと、後悔する気がして。
自分の中にこの気持ちを、じっと留めておくことは出来ない気がして。
inリビング
(察したヒョンラ)
「いってきます。」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!