第5話

♥︎four♥︎
315
2020/06/07 08:00
=あなたside =
本当は誰にも相談しないでおこうと思ってた
なっちゃんは、案外心配性だから
絶対に言っちゃダメだと思ってたけど
つい、口が滑って…
恐る恐る、なっちゃんの顔を見ると
私の顔を見て


口をぽかんと開け


唖然としているなっちゃんが写る
『あんなに、元気だったのに病気なんだってよ』
『びっくりするよねw』
なっちゃんの顔を見ると
段々涙が出そうになる
でも2人とも泣いたら
どうしようもないから
夏喜「あなた、別に泣いてもいいよ。」
『ううん、大丈夫!私泣かない約束だから!』
夏喜「泣きなよ。こういう時もあっていいじゃん。」
『…優しくされると、泣いちゃうよ…。泣かない約束なんだから…。』
『ママとお父さんと泣かない約束したんだから…』
夏喜「しょうがないって。守れない約束だって時にはあるから。」
スカートを握り締めている手には
たくさんの雫が落ちている
夏喜「ははっw泣いてる顔w」
『うるさいっ…(泣)』
夏喜「ほら」
いつも、なんだかんだ言って
優しくしてくれるのがなっちゃん。
なっちゃんの広げられた腕の中に入ると
春の温かさ
なっちゃんの温もり
少しだけ寂しさ
そんな不思議な何かに包まれる
そして
赤ちゃんをあやすかのように
私の背中をトントンと
一定のリズムで打つ
『なっちゃん…(泣)』
久しぶりだ、なっちゃんの前でこんなに泣いたのは。
夏喜「あなた、安心しろ。俺が居るから」
私が泣き止むまで
ずっとそばになっちゃんが居てくれた
これって異性としてはやってくれないんだよね
この行為はきっと
幼馴染だからやっている事だよね
なんでこんな事考えるんだろう
『もう、大丈夫!ありがとうニコッ』
夏喜「別に。」
塩のなっちゃんに戻っちゃった
少し寂しいけど
少し嬉しい
そんな気持ちが交差する
『砂糖のなっちゃんもやっぱり好きだし、塩のなっちゃんもやっぱり好き。』
夏喜「急に何?」
『ううん!別にー!』

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