第55話

最終章 54話
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2025/02/09 16:40 更新
歩き慣れた道を歩く。

Fairy taleを始めてから毎日歩いた道。

あの頃は、ただなんとなく毎日を繰り返し、同じ日々がずっと続いて行く事が当たり前だと思ってた。

自動販売機を通り過ぎ、公園の入口。

でも、あの時から私の人生は変わり始めた。

懐かしいような切ないような気持ちで公園の中を歩く。

1歩…1歩と歩く度、視界が滲んでくる。

(なまえ)
あなた
(おかしいな…
こんなつもりじゃないのに…)
ふと視線をあげると、ベンチに腰かけ空を仰いでる見慣れた姿が。
(なまえ)
あなた
チャニ??
ポツリと呟いた声が届いたのか、私の姿が視界に入ったのかチャニは立ち上がり私に駆け寄ってきた。
バンチャン
バンチャン
あなたの下の名前
なんでここに……
お互いの顔を見あって、声が揃った。
バンチャン
バンチャン
…泣いてたのか?
(なまえ)
あなた
…泣いてたの?
チャニの頬には涙が流れた跡が。
私の目には今にも零れそうな涙が揺れていた。
お互い思わず吹き出す。
バンチャン
バンチャン
なんで…こんなとこで会うかなㅋㅋ
(なまえ)
あなた
リノさんのお店行って、Fairy taleに行ってきたの。
で…今からチャニのとこ行こうと思ってた。

今日、忙しかったの?
バンチャン
バンチャン
おぉ、リノの店どうだった?
(なまえ)
あなた
ふふふ。
大人気だった。
バンチャン
バンチャン
そっか。
ならよかった。
チャニは私の手を取ると、そのままベンチまで連れて行き2人で腰掛けた。
バンチャン
バンチャン
色々、提出するものがあって…
あなたの下の名前がくれたチャンスだと思って、色んな事に手を出したら、やる事がめっちゃ増えた。ㅋㅋ
(なまえ)
あなた
ふふふ
やっぱ、チャニに任せて正解だったな。
あ、でも、自分を追い込むの大好きだから…ちょっと心配かもㅋㅋ
バンチャン
バンチャン
そんな追い込んでるつもりもないけどな。ㅋㅋ
その帰りに、ふと立ち寄ったらあなたの下の名前に会えたよ。
(なまえ)
あなた
えへへ
運命かな?
チャニは繋いでた手に少し力を込めると
バンチャン
バンチャン
うん。そー思う。
と優しい顔で笑った。

(なまえ)
あなた
…チャニ、ありがとね。
バンチャン
バンチャン
なんだよ、急に。
(なまえ)
あなた
今日、みんなを見てきて思ったの。
あたし、すごく幸せ者だなって。
バンチャン
バンチャン
…ん?
(なまえ)
あなた
限られた時間の中で、あたしの夢をこんなにも一生懸命に叶えようとしてくれる人達がたくさんいて、そしてこんなに素敵な世界を見せてくれて、これ以上なにか望んだらバチが当たりそう。ㅋㅋ
チャニは私から顔を背けるようにどこか遠くを見ていた。
(なまえ)
あなた
ふふ
泣かないで?
イタズラ半分でチャニの顔を覗き込みながらそう言うと、ふいに頭を引き寄せられ
バンチャン
バンチャン
泣かすな、パボや。
と強く抱きしめられた。
バンチャン
バンチャン
俺は…未だに納得はしてないけど
お前の時間がほっんとうに限られてるってゆうなら、俺は、その残された時間を全部使ってでも、お前の願いを全て叶えてやりたいと思ってるよ。
(なまえ)
あなた
ふふふ…
泣かそうとしてるでしょ?ㅋㅋ
私はチャニの背中に手を回して
(なまえ)
あなた
ずっと…笑っていてね。
この先、何が起きても、みんなで幸せでいてね。
ケンカしても直ぐに仲直りして。美味しいものを食べて元気でいてね。
いつか…いつか、もしも…愛する人ができたら…
バンチャン
バンチャン
あなたの下の名前?
(なまえ)
あなた
グズッ…
あたしのこと…忘れないで…

ううん、忘れてもいいの…

でも…時々でいいから…たまには思い出して…
バンチャン
バンチャン
あなたの下の名前!
チャニの唇で塞がれてしまった。
その優しい手で、私の頬に流れる涙を拭いながら、愛おしそうに、刻みつけるように、何度も重なる唇。
バンチャン
バンチャン
俺は…
前にも言ったけど『独占欲の塊』だから…

アイツらには悪いけど、あなたの下の名前と初めて会ったあの時から、「お前は俺のもんだ」って思ってるよ。
誰にもやらねぇし、記憶からも消さない。
(なまえ)
あなた
あはっ…ダメだぁ…
チャニにはすぐ本心晒しちゃう。ㅋㅋ

こんな事、言うつもりなかったのに。
するとチャニは、両頬に手を当てグイッと顔を上げさせると
バンチャン
バンチャン
隠す必要ないだろ?俺には…

全部出していいよ。受け止める準備は出来てる。ㅋㅋ
(なまえ)
あなた
イケメンすぎてムカつく!!ㅋㅋ
(なまえ)
あなた
…でも
ありがとう。

チャニを…
バンチャン
バンチャン
ん?なに?
(なまえ)
あなた
チャニ…が、いてくれて良かったよ。
バンチャン
バンチャン
あれ?変えたよね?
片方の眉を上げて、ニヤリと笑った。
(なまえ)
あなた
えっ?
バンチャン
バンチャン
なんつった?最初。
ちょっと色っぽく意地悪な表情で私を見つめる。
(なまえ)
あなた
きっ…聞こえてたんでしょ??
私の言葉に、チャニはとぼけた顔をして肩をすくめる。
私は頬を赤く染めながら
(なまえ)
あなた
チャニを…
…好きになってよかったよ…
と小さな声で伝えると、チャニは目尻をくしゃっと下げ赤ちゃんみたいな顔で笑い、私を愛おしそうにぎゅっと抱きしめた。

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