五月雨が続くある日 、 大雨のせいで
大学の1限ぎりぎりになってしまった .
構内はざわざわとしているが
そろそろ点呼が始まりそうなので
急いで席を探す .
結構後ろ辺りの長机で
1人しか座っていないところがあった .
イヤホンをしてスマホを見ている男の人の
肩に軽く触れて声をかけてみた .
うわあ 、 すっごいかっこいい人 .
ハーフ顔で掘り深くて …
やばい 、 めっちゃタイプ .
鞄の中からパソコンとか色々出してると
そのイケメンが話しかけてくれた .
やばい 、 驚きと嬉しさで
訳わかんない言葉になっちゃった .
実際 、 大学でもあまり友達がいる方じゃないし
私の座右の銘 ’’ 深く狭く ’’ だから ……
流石にもう友達が減るのは勘弁したい .
しかも人気者に手なんて出したら
噂がすぐに広まって陰口言われて ……
がたっ
驚きでつい 、 立ち上がってしまった .
少し前の方に座ってる女の子二人が
こちらに振り向いてきた .
名前までかっこいいな …
こんなかっこいい顔にかっこいい名前 ……
しかも彼女がいないなんて ……
え ? なんか … ジェームスくんに
気付き始めた周りの女の子たちが
こっちに来ようとしてるんだけど … ??
自分でも気付かないうちに
ジェームスくんのことを隠そうとした .
まって 、 やってることきもすぎない ?
タイミングよく教授が来てくれたお陰で
女の子からの雪崩は避けられた .
我に返ると 、 自分のした事が恥ずかしくて
ジェームスくんの顔が見れない .
タイプだったのに引かれたじゃん絶対 …
隣から聞こえた台詞は
想像以上に優しくて甘かった .
いま … なんて ……
今 、 可愛いって …
この人 … 私の事 ……
先程の言葉が幻聴なんじゃないかって
頭から離れなくて
自分の頬をつねってみる .
自分の頬をつねる手に 、
彼の大きな手が重なった .
そう言って笑いながら
そのまま手を握って下に降ろされた .
授業が終わるまであと 100分 もある .
教授の挨拶で授業が終わると
いつの間にか机の上は綺麗になっていて
再び手を握られて立ち上がった .
そのまま駆け出して講義室を出ると
外の広場まできて立ち止まる .
手が繋がったまま 、 彼が振り返った .
そう言って 、 首を少し傾げて笑った .
私の人生で一目惚れなんて
するわけないって思ってたのに ……
世界一長い 100分 待ったんだもん .
彼の大きな瞳から 、 目が離せなかった .
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!