匠海side
「匠海とこれからもずっと一緒にいたい。」
あのときまっすぐな目で笑う京介に出会って、 俺の人生は、確かに変わった。
ふざけた冗談ばっか言って、どこまでも自由で、 でも、時折見せる誰にも見せない寂しそうな目が、 どうしても放っておけなかった。
「世界中で誰より君を幸せにする」
そんなの、言葉だけならいくらでも言える。
付き合い始めた頃は、何もかもうまくいく気がしてた。
でも、現実はそう甘くない。
すれ違いもあったし、 京介が強がるたびに俺は苛立って、 ぶつかって、泣かせた夜もあった。
「京介ってさ、優しいようで冷たいよね」
『そんなふうに思わせて、ごめん』
「なあ、なんで教えてくれんかったん?もっと頼ってって言ってるよな?」
『ごめん、迷惑かけちゃうと思って、、』
「迷惑やないって何回も言ってるやろ、言わないほうが迷惑やねん」
本気で想ってるのに、 うまく伝えられない日々が何度も続いた。
“ありがとう”より“ごめん”のほうが多い恋だったけどそれでも京介と居られることが幸せで
泣いて、笑って、また向き合って、 そうやって、俺たちは愛を見つける。
「俺さ、京介に出会ってなかったら何も感じられなかったと思う」
なんて柄にもないことを言う俺にいつもみたいに笑ってくれると思っていたのに、ぽつりと口にした俺の言葉に京介は泣いてくれた。
「なんで泣くん…?」
「だって、俺も同じこと思ってたから」
京介が同じ気持ちでいてくれたことにたまらなく愛おしささを感じ俺は思わず抱きしめる。
答えが見えなくて不安だった日もあったけど、 京介は静かに手を取ってくれた。
そのぬくもりに何度も救われた。
そんな京介を見て時々思う。
こんな俺が京介の隣にいていいのかな。
俺が京介を幸せにすることなんてできるのかな、って。
不安になって、立ち止まりそうになるけど
「大丈夫。匠海なら京介を幸せにできるよ」
「匠海、ほんまに強いな、匠海なら絶対大丈夫やで!」
そのたびに京介の笑顔と周りの支えが俺の背中を押してくれる。
「京介の前ではちゃんと強く居りたいねん」
なんてちょっと強がったこと言ってみるけど
その言葉が、俺の“決意”を支えてくれた。
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歳を重ねて、白髪が混じっても、 京介の隣で笑っていたい。
「幸せだよ京介。生まれてきてくれてありがとう」
そう言える自分でいられるように 俺はこれからも全力で京介に愛を伝える。
泣いた日も、笑った日も、 全部大切な“ふたりの軌跡”。
いつの間にか出会う前より もっと素敵な京介がいてくれた。
今隣にいてくれる京介を 「当たり前」だなんて絶対に思わない。
俺のとなりにいてくれて、本当にありがとう。
これからもずっと俺の隣に居ってな。
「一緒に笑い、一緒に泣いて、一緒に生きていこう」
世界中で誰より君を幸せにすると決めたから。
ウエディング / 音田雅則












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!