深澤大介side
涙を流し、顔を隠す辰哉をお姫様抱っこで風呂場へ運ぶ。
…ごめんな辰哉。
"今回は"はすぐに気づいてあげられなかった
亮平と会えて、みんなとご飯で、
浮かれてて、すぐに気がつけなかった。
辰哉がお風呂に入っているうちに、新しい着物と下着を用意し
ひとまず、居間の様子を見に戻る。
…あんなふうに俺らが飛び出して
みんなびっくりしちゃってるよね…
居間に着くが中に入っていく勇気が出なくて
ちらっと中をのぞくと声が聞こえてくる。
中では蓮を亮平がいなしているようだった、
…まさか俺らのことが気になって追いかけてこようとしてる?のか…
ま、マイペースだなぁw
相変わらずだなぁあの二人w
二人の可愛いやりとりが聞こえてほっとする
…急にバタバタして、怖がられてなくてよかった。
思わず笑った声が聞こえてしまったらしく
ひょこっとこっちを見る大きな二つの目があってしまった。
蓮もやってきて
質問をされる。
…どうしよなんて言えばいいんだ?
後から他の兄弟のみんなと
話が食い違っても困るし…
そこに、盛り塩を変えて、家全体の清めを終わらせてきた康二が戻ってきた
や、やばい
康二が適当なことを言うと
後から帳尻が合わなくなる…
…心配した俺がアホみたいな二人の会話
そうだった…康二はそうゆう子だったね…
そして蓮も…昔とやっぱりあまり変わってないな
…問題はこっちか
亮平も変わってないなぁ
好奇心旺盛、追求心過多、
適当いっても退かないタイプ…
声に振り向くとそこには涼太が照を連れて立っていた
そういってウインクする涼太は
ここはまかせろっていってくれてるみたいで
あの頃を思い出してしまいそうになる。
やっぱり安心感があるな…
部屋に戻るように促す
辰哉から少し記憶が戻ってると聞いてたけど
この感じ、懐かしいなあ…
…ありがとうな涼太。
岩本蓮side
なんだかみんな急にバタバタした後
ご飯をつまみ食いしようとして亮平兄に軽く叱られ
そんなことしてたらみんながだんだんと戻ってきた
康二がモーマンタイって言ってたから
大丈夫らしいけど
何だか亮平兄は納得してないみたい…
そしてなぜか
涼兄が出てきて説明してくれるんだとか
後ろの照兄は何も知らなさそうだけど
何がどうなってるんだろうか…
無言の間が生じる
言いにくいことなのか、
言いたくないことなのか。
涼兄は顔を顰める。
大介さんも康二も顔を歪ませていてなぜか気まずい空気になる。
照兄は え?
みたいな本当に何も知らない人の顔をしていて
亮平兄は下を向いてると思ったその時
涼兄の肩を掴んだ
そう言った亮平兄は立ち上がって
外へ出て行った。
…あんな悲しそうな顔した亮平兄久しぶりに見たかも。
涼兄も亮平兄の後を追いかけて外へ行ってしまった。
ふと大介さんが声を漏らした。
苦しそうな悲しそうな顔で
声を震わせていて、隣にいる康二も同じような表情をして俯いていた。
静かに諭すような声で照兄が言うと、
大きな声で反論する。
そんな大介さんと康二をまっすぐから向き直って
照兄はいう。
そう言って俺の頭をわしゃわしゃと照兄は撫でる。
優しいにいちゃんであり、俺の憧れの存在であり、父のような存在。
優しくて暖かいその大きな手は
いつも俺ら兄弟を導いてくれる。
そう言って優しく笑う照兄は、
本当にお父さんのようで
さっきまで、暗い顔をしてた二人の肩の力も
少し抜けたように見えた。
やっぱ照兄ってすごいな…。
岩本亮平side
外に出て自分の家の前まで来てしまった。
自分の家の庭で、空を見上げ星をみる。
胸の辺りが悶々とする…
納得できない違和感や
涼太兄さんが何かを
言わないのも誤魔化してるのも
もう正直別にいいんだ。
ただ、
ただ涼太兄さんが、何だか遠くにいっちゃったような感じがして
すごく、すごく寂しくなってしまった。
わかってる
もう俺も18で、もうすぐ二十歳になる。
今年大学生にもなった。
寂しいとか、
家族に対して思うなんて正直子供っぽいし
俺の周りにはあまりいない。
…それでも
声がした。
涼太兄さんの声が、上から降ってきた。
上?
見上げると、涼太兄さんがいた
真っ黒な大きな翼は月の明かりが赤く反射していて
昔話のような
和服を身に纏った、
涼太兄さんが上から舞い降りた。
話を聞かない涼太兄さんが急に苦しみ出したかと思うと
ぼんと煙とともに
さっきまでの普通の姿に戻った。
何も分からない
…あまりにも現実離れした話
突飛すぎる話
驚きすぎて声も出ないとはこのことだ。
非現実、夢の方が説得力のあるような話。
前世とか非科学的だし
鴉天狗って何??????
でも…でも
翔太さんと前世からの仲で、再会した瞬間思い出すって…そんなの…そんなの
…前世があるからと言って
涼太兄さんが俺の最高の兄さんであることに違いはない。
だから、
大きくなった俺の昔からのわがままを少し言ってみたくなってしまった。
二つしか違わないのにすごく安心する。
涼太兄さんは優しく背中をポンポンとして慰めてくれる。
そういう兄さんの背中についていく。
さっきまでついてた翼はないけれど、
その背中は大きく見えた。
深澤翔太side
シャワーの音が聞こえる。
一定のリズムでずっと
…
着替えを持って行き
脱衣所に行き着物を脱ぐ
風呂場のドアを開けると
やっぱりシャワーを垂れ流してうずくまっている辰哉がいた。
小さな子供みたいに
体を縮め込ませ顔を伏せてしゃべる辰哉。
その長い髪は
水に触れいっそ黒の濃さを増していた。
シャンプーを手に出し
髪を洗っていく。
サラサラとした髪は泡立ちが良く、手触りもいい。
あいつの為に、ずっと
ちゃんと手入れしてたからか、
綺麗なものだ。
タオルで泡立てたボディソープで背中を洗う
真っ白で綺麗な体だけどやっぱり、
昔の傷跡が残ってしまって痛々しい。
…俺らのせいでついてしまった跡。
お前は笑って勲章だという。
そんなわけないのに。
辰哉はすごく強いのに、
本当に照と俺ら家族に弱い。
いつの時代も。
シャワーの音で声が聞こえづらいけれど
しっかりと伝わってくる。
体は震え、嗚咽を繰り返す。
自分の体もささっと洗い
抱き上げ一緒に湯船に入る。
俺らへの懺悔が浴室でこだまする。
…辰哉がいなければ俺らは今ここにいないっていうのに。
本当に優しい人だ。
大介が選んだラベンダーの
バスソルトが辰哉を浄化させていく
”アイツ”の瘴気に当てられて
吸い込んでしまった毒が抜けていき、
だんだん辰哉が落ち着いてくる。
…俺の声も今なら聞こえる。
湯船の中でポロポロ流す涙が少なくなってきて
俺に抱きついてくる辰哉。
お互いの顔やうでををぺたぺた触りっこしてると
ガラガラと勢いよく浴室のドアが開いた。
そこには
ピンク髪のうるさいのが来てしまっていた。
大介がブツブツ言い出した…
…うるさいしもう出るかな…
大介を一旦放置し、
辰哉と風呂場を後にし着物へ着替える。
沢山泣いた
辰哉は目が腫れぼったくなってしまっていたので
辰哉の目に俺の冷たい手を載せる
しばらくし、目を開けさせると
いつもどうりの顔に戻っていて、
ニコニコと笑う辰哉に戻っていた。
子供をあやす様に
優しく撫でるその手は雪女の血を引く物の
宿命で冷たいが…
辰哉の手はいつも優しく暖かく感じ、
安心する。
…
嬉しそうに笑う2人を見てると
やはり家族って感じがして
俺もその家族のひとりで
幸せってこういうのを言うんだなって
噛み締めてしまう。
空気が綺麗になり、
清浄な空気が流れ漂う。
しばらくは大丈夫なはず…
でもまだ正直なところ”アイツ"が何を企んで
どう行動するのか、
まだ掴めない…
用心しないとな…
???????side
作者です!
読んでいただきありがとうございます!
今回は恋愛要素が少なってしまいましたすみません💦
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コメント(実はコメントが1番嬉しくて飛び上がってます^^感想考察等々お待ちしてます)
力になってますありがとうございます✨
後プロフィールが見えなくなっているというご意見がいただいたので
読みやすいよう、
こちらのURL先の
妖雪男子 プロフィール
でも
見れるのでよろしくお願いします✨👇
それでは次回もよろしくお願いします✨🙏




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。