ただ風が吹いて。
時間が経って。
また風が吹いて。
ゆっくりと太陽は沈んでいく。
言いたいこと、伝えたいこと。
ボクは今伝えられずにいる。
「今日は解散しよう。」って言いたかった。
けど、今逃げたら...話すのをやめたら...
またずっと逃げて、それでタイミングが消えて...
ニーゴのみんなに対して罪悪感を感じて...
予想外の言葉にボクは、その一言しか言えなかった。
それじゃあ...また逃げて...ずっと話さないじゃん......
「絶対に約束する。」
この言葉が例え嘘でも、ボクは何故か安心できた。
話したい。けど、どうしても...。
奏は長い髪を耳にかけてボクの方を向いた。
気を遣っているのか、顔は見ずにボクが持っている水を見た。
やっぱり怖いよ...。
もし話して今の関係が崩れたら......っ
話したいけど、話せない。 言いたいけれど、言えない。
喉に針が刺さったみたいに喉が痛くなった。
どうしても耐えきれなくて...ボクは涙を落とした。
話さなきゃ...話さなくちゃ...ッ
ボクが不安を感じている横で奏はジャージのポケットから
スマホを出した。
ボクがずっと悩むからいい加減飽きてきたよね...笑
そう言って奏はボクにワイヤレスイヤホン2つを渡した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!