インカムに通信がきた。
何かあったのだろうか…
大先生からだ、なんだろう、まさかあいつが来るのが早まった、?
とりあえず情報室へ向かおう
情報室付近はどこが近未来的な雰囲気を感じさせる
機密事項も多いため情報室へ入ることができる人間は限られているのだが、私は入ってもいいのだろうか、?
今はもう幹部ではなくただの一般兵、大先生から呼び出されたとはいえ軍の規律的にどうなのか、、
そんなことを悩んでいると扉の中から
何を話すのだろうか…
そう思いながら扉を開け中に入る
目の前に広がるモニターだらけの部屋、まさに電子の海と表現するのに相応しいほどの量で、情報の波が押し寄せてくる。
カタカタカタとパソコンに向かうその姿はいつものおちゃらけた感じではなく真剣な表情で思わず魅入ってしまった。
キャスターを転がし振り向きながらそう言う大先生
へにゃっと笑いながら鬱は言う
そんなふうに呼び捨てで呼ぶのは【前】の時だけだったじゃん、
呼吸が浅くなる、目が熱くなって、視界が涙でぐにゃりと歪む
今まで、目を背けていた、蓋をしていた自分の気持ちが、涙として壊され止めどなく溢れる。
本当に大好きだった。新しい後輩はいい子だった。仲良くできていた。あの思い出は、あの時までは本当に、本当に幸せだった。
仲間だと思ってたあの子から、突然突き放されて、次の日にはいじめたことになって、その日から全てが壊れた。
あの出来事のせいで幹部内で対立して、味方してくれる人もいたけれどそれもどんどん敵対していった。
いつものように話しかけるとゴミを見るような目で接された。
全てが狂った_ .
いつのまにか私は自分の部下も虐げる最低な人間というレッテルが貼られていた。
信じられなかった。その噂を信じた幹部も、私の部下も。
なんで、!?
なんで!?
あなたたちにそんなふうに接したことなんて今までで一度もなかったじゃないっ!?
なんでそんな噂を信じてしまうの、!?なんで誰も私のことを見てくれない!?
なんで誰も私の話を聞いてくれないの、!?
今思えばこの時にもっとちゃんと彼らと向き合えていればこんなことにはならなかったのかもしれない
そして私は狂ったのだと思う。何を言われても笑って過ごすようになった。
今までの功績は全部部下のもので横取りをしていたと言われても笑顔で、
幹部になったのも実力を偽っていたからだと蔑まれても笑顔で、
部下から仕事を押し付けられても笑顔で、
幹部から訓練と称して殴られても蹴られても笑顔で、
あの子から夜中に呼び出されて何を言われても何をされても笑顔で過ごした。
そんなある日、私が死への一歩を踏み出す決定的な出来事が起きた。
“総統暗殺未遂事件”
いつものように罵声を浴びせられながら食堂で食事をとっているとグルッペン、総統が突然血を吐いた。
ベチャッ
その音と同時に私の未来は道を外した。
総統はすぐに医務室に運ばれて命に別状はなかった。
けれど総統が血を吐いたのは毒のせいだということが判明して犯人探しが始まった。
真っ先に疑われたのは料理長、だけどそれは絶対にあり得ない、
そもそも料理長は総統直々のスカウト、総統に忠誠を誓っており暗殺するなど考えられもしなかった。
その次に疑われたのが私、何やらあの子が私が総統の皿を持って何かを入れるのをみた“らしい”
無論私はそんなことはやってもいないし、なぜ総統を暗殺せねばならないのかと反論した、けれど
意味がなかった。あの子からの告発で私がスパイだという疑いがかけられていたらしい
そんなことも相まって、今まで味方をしてくれていた人たちはみんな完全に敵対した、1人を除いて
その後私は食堂出禁、総統に接触禁止、処分が降るまで部屋で軟禁
そしてあれよあれよと偽造された証拠が出てきてそのまま処刑された。
辛かった、しんどかった、泣きたかった、目の前で首を掻っ切って死んでやろうかと思った。
けど出来なかった、泣けなかった、それで悲しむ人がいたから。
まだ私のことを信じてくれる人がいたから…!
でももう我慢しなくていいんだよね、?
そう言う大先生の顔には後悔の色が浮かんでいた
ポケットからハンカチを取り出して徐に渡してきた。
お久しぶりです…!
ちょっとシリアス復活です。
夢主ちゃんの回想でとんでもなく文字数が多くなりました。
鬱先生には夢主ちゃん同様【前】の記憶があるみたいですね。
一応鬱先生の初登場の描写は丁寧にして特別感を演出していたのですが
きづいたでしょうか?よかったら見返してみてくださいね!
半年とまではいきませんが長い間まっていてくださった方々ありがとうございます♪
ゆるゆる更新になってしまいますがこれからもご愛読くださると幸いです🫶🏻!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!