第8話

Chapter.1ー1 生きたがりのブルー・ノイズ
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2026/05/28 10:19 更新
           Chapter.1
      ー生きたがりのブルー・ノイズー
水幡 芹那
水幡 芹那
探索しよう! とは言っても……
他の人の所に押しかけてもいいのかなぁ。
夢言 桃雫
夢言 桃雫
た、確かに……
誰か廊下にいますかね……?
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
とりあえず、1度出てみましょうか。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
そうですね。お先にどうぞ。
水幡 芹那
水幡 芹那
あ、ありがとう。
ピンク色のドアを開いてくれた幽楓ちゃんに続き、
私たちは廊下の方を覗く。
……誰もいない。でも、どこかから
笑い声が聞こえてきた。
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
うーん……声がしますね。
夢言 桃雫
夢言 桃雫
…あっ、多分オレンジの所からですよ。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
…そうみたいです。少し、
ノックしてみましょうか。
幽楓ちゃんが、トントン、というノックをしても、
どうやら中にいるみんなは雑談に夢中に
なっているみたいだ。
水幡 芹那
水幡 芹那
……気になるし、入ってみよう。
夢言 桃雫
夢言 桃雫
お、お邪魔しまーす……
中には4人分の個室があり…
少し開いている奥の扉から、楽しげな
笑い声が聞こえているのだった。
島津 瑠璃
島津 瑠璃
へぇ〜〜! あだ名なんすか!
あたしからも新しいあだ名あげるっすね!
あかりん
あかりん
ほんと〜〜!? 嬉しい〜!!
神楽坂 トア
神楽坂 トア
おっ、蘭輝! 6が出るなんて、
運がいいんだね!
夢楽 蘭輝
夢楽 蘭輝
たまたまだよ〜。 えっとね〜…
お! 5マス進む!!
羽音 奏多
羽音 奏多
凄い! 一気に一位だ〜!!
島津 瑠璃
島津 瑠璃
えっ!? マジっすか!?
あたしの順位下がったじゃないすか!
あかりん
あかりん
接戦になりそうだね〜〜!!
じゃ、次はうちの番やね!
水幡 芹那
水幡 芹那
……なんか……すごろくしてる。
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
こちらに気が付きませんね。
…楽しそうですし、このままに
しておきましょうか。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
他の皆様も、こうやって
お話しているのでしょうか?
夢言 桃雫
夢言 桃雫
すごろく…楽しそうですね…!
私たちのお部屋にもあるでしょうか…
水幡 芹那
水幡 芹那
後で見てみよう。
お邪魔しました、と呟いて、
次は隣の青色のドアをノックしてみる。
水幡 芹那
水幡 芹那
あのー。水幡 芹那です。
お話しませんか〜…?
……シーン、としていて、何も聞こえない。
隣の部屋との落差が凄い。
でも、微かに物音がして…そのドアが、
小さく動いた。
柊 真
柊 真
…………ぁ。
チラリとこちらを見た後、またドアは閉じられた。

……閉じられた……。

…と思いきや、また開いて、そこには違う人がいた。
月詠 忍
月詠 忍
……あっ……
そしてまたドアが閉じられる。

……閉じられる……。

…と思いきや、また開き、また違う人がこちらを見る。
来栖 雨夜
来栖 雨夜
あ、…は、はぁい……
水端 清凪
水端 清凪
あの……す、すみません、
2人は、個室に行っちゃって……
挨拶も出来ないなんて…
ごめんなさい、後で叱っておきます!
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
…そ、そうでしたか。
こちらこそ、急に押しかけてしまって
すみません。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
何か心配事があったら、
呼び止めていいですからね。
来栖 雨夜
来栖 雨夜
ほ、ほんとですかぁ……?
水端 清凪
水端 清凪
あ、ありがたいです!
夢言 桃雫
夢言 桃雫
次は……最後のドアですね!
赤色の。
控えめに手を振る2人に見送られ、
桃雫ちゃんが赤色のドアを見た。
今のところ、会ってない人がここに居るのだろうか。
もう一度ノックをして、声をかけてみる。
水幡 芹那
水幡 芹那
えっと……水幡 芹那です。
完堂 明那
完堂 明那
……んー?
お! 来客か!
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
良かった。やっとまともに
出てくれましたね。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
振られ続けて来ましたからね……
九条 聖華
九条 聖華
どうしたのです? って……
大人数。何か用でもあったか?
夢言 桃雫
夢言 桃雫
少しお話出来たらなぁ…と、思いまして…
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
……あぁ〜……
水幡 芹那
水幡 芹那
え? 何その「あぁ〜……」は。
……私に?
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
…血液型。何型ですか。
水幡 芹那
水幡 芹那
え…Aだけど…
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
……良いでしょう。
水幡 芹那
水幡 芹那
あ、はい、どうも……?
無響 輝恋
無響 輝恋
あれ…沢山いる。
てか、またやってんの? 冥。
それやめな、嫌われるから…
華姿 幽楓
華姿 幽楓
あら…仲良しなのですね。
完堂 明那
完堂 明那
おう! みんな仲良しだ!!
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
いい事ですね。
先程出会ったとは思えないほどの距離感で、
完堂くんは聖華ちゃん、ヰ憑くん、無響ちゃんを
ガッと抱き寄せて、ニコニコと笑っている。
呆れ、不快、驚きの表情を浮かべる3人を見て、
少し微笑ましくなった。
水幡 芹那
水幡 芹那
じゃあ、そろそろお暇するね。
夢言 桃雫
夢言 桃雫
ありがとうございました…!
完堂 明那
完堂 明那
おう! また気が向いたら
来るんだぞ!
九条 聖華
九条 聖華
もう時間も遅い。
ほら、後ろで待ち構えてる。
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
え?
聖華ちゃんの言葉で後ろを振り向くと、
モノメント、と名乗っていた女の子が、
少し眠そうな目でこちらを見ていた。
腕には、青と赤が混じって紫色になった
クマのぬいぐるみを抱えている。
モノメント
モノメント
……あれ? ここじゃ、ない……
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
…何をしに?
モノメント
モノメント
今ね、寝てたんだけどね…
なんか、ちょっとだけ、
うるさかったから……
モノメント
モノメント
あ…! あっちのドアだ…
モノメントちゃんは、とてとて、と
オレンジ色のドアに近づき、するりと
部屋の中へ入っていった。
不用心に開けられたままのオレンジ色のドア。

私たちは、目を見合わせた。
無響 輝恋
無響 輝恋
……なんか、ちょっと大丈夫? って
感じするけど。
華姿 幽楓
華姿 幽楓
…心配ですし、ついて行きましょう。
モノメントちゃんの後を追って
私がオレンジ色のドアをくぐった途端。

バチン! と何かが弾けるような
音がした。
夢言 桃雫
夢言 桃雫
う、うわっ!?
今の音、なんですか…!?
完堂 明那
完堂 明那
待て! 一度離れろ!
水幡 芹那
水幡 芹那
えっ!?
完堂くんの一声で、私たちは全員動きを止める。
先程まで笑い声が聞こえていた集会室の
ドアが開く。

そこには、青色が無くなり、赤色だけになった
クマのぬいぐるみを持ったモノメントちゃんが、
少し目を赤くして立っていた。
モノメント
モノメント
…ぐす…
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
え…っと…? ど、どうしたんです?
無響 輝恋
無響 輝恋
大きな音もしたし、怪我とか…?
華姿 幽楓
華姿 幽楓
それは大変…大丈夫ですか?
モノメント
モノメント
ち、違うの…
島津 瑠璃
島津 瑠璃
ちょちょ、ちょーい!!
待つっすよ、メントスちゃん!
夢言 桃雫
夢言 桃雫
…あ、モノメントちゃんの事ですか!
島津 瑠璃
島津 瑠璃
あれ!? 久方ぶりっすね〜皆様!
デートっすか? なんちゃって!
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
冗談はよせ。
この中で何があった?
九条 聖華
九条 聖華
仮にもここは他人のテリトリーだぞ…!
もう少し躊躇しろ…!
少しの躊躇いもなく、ヰ憑くんは
モノメントちゃんの横をすり抜け、
その先の扉を覗いた。
……動きが、ピタリと止まった。
水幡 芹那
水幡 芹那
な、何……?
私も恐る恐る近づいてみる。
…先程までの楽しげな雰囲気は消えていて、
そして、床を見つめる3人がいた。
神楽坂 トア
神楽坂 トア
だ、大丈夫? あぁ…酷い怪我だ。
夢楽 蘭輝
夢楽 蘭輝
ど、どうしよう…とりあえず、
報告を…!
羽音 奏多
羽音 奏多
…って! あ! 丁度いいところに、
お医者さんが!!!
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
……は? いや専門外だ。
神楽坂 トア
神楽坂 トア
じゃあ、せめて軽い応急処置だけでも…!
夢言 桃雫
夢言 桃雫
な、何があったんですか…?
夢楽 蘭輝
夢楽 蘭輝
み、みんな。
ごめんね、驚かせて。
羽音 奏多
羽音 奏多
あかりんお姉ちゃんが、
ちょっぴりお怪我しちゃって…
あかりん
あかりん
いたた…
でも、骨は折れてないよ?
無響 輝恋
無響 輝恋
…でも、大変じゃん。
レオンハルト・ジェームズ
レオンハルト・ジェームズ
い、一体どうして…
あかりん
あかりん
ちょっと…こ、転んじゃって!?
九条 聖華
九条 聖華
…否定形か。
何か隠しているな。
完堂 明那
完堂 明那
…まさか、何かやったのか!?
完堂くんは、バッとモノメントちゃんの方を
振り向いた。
真っ赤なクマを抱きしめ、モノメントちゃんは
完堂くんを睨んでいた。
モノメント
モノメント
…うるさいのが悪いの!
私は、寝てたのに!
モノメント
モノメント
今回は、それだけで
済んで良かったね。
モノメント
モノメント
次は…次は、もうダメだから…
そう言って、目に涙を溜めたモノメントちゃんは、
その場から走り去っていった。

オレンジ色のドアが、微かに人間味のある
動きをした。
来栖 雨夜
来栖 雨夜
わっ…!? あ、あの時の…!
月詠 忍
月詠 忍
あっ……逃げた……
島津 瑠璃
島津 瑠璃
あーーっ!! その声!
くるくるたちじゃないっすかーー!!
柊 真
柊 真
…ひっ!?
水端 清凪
水端 清凪
あ、え……? あ……
なんか…お、押しかけちゃって
ごめんなさい!
水幡 芹那
水幡 芹那
あ、いや大丈夫!
九条 聖華
九条 聖華
……ここは狭い。私たちは邪魔になる。
する事がない人は、一度移動しよう。
無響 輝恋
無響 輝恋
大人数で押しかけちゃったし…
とりあえず、そっち任せるから。
ヰ憑 冥
ヰ憑 冥
え? 俺がこの個体の応急処置を
する訳が無いだろう?
あかりん
あかりん
こ、個体ぃっ!? 初めて言われたよ!?
神楽坂 トア
神楽坂 トア
あ、じ、じゃあ、その処置を
教えてくれるっていうのは!?
羽音 奏多
羽音 奏多
そうだね! 僕たちにも責任あるし…
夢楽 蘭輝
夢楽 蘭輝
それだけでいいからさ。
教えて欲しいなぁ、冥くん。
島津 瑠璃
島津 瑠璃
ほんっっとーに怖かったっす〜!!
どかーん! ばーん! って〜!!
来栖 雨夜
来栖 雨夜
だ、だだっ、大丈夫…でした、か…?
月詠 忍
月詠 忍
大きい音が聞こえましたけど、
誰か死んだんですか?
完堂 明那
完堂 明那
死んでないぞ!!!
というか声小さいな!!
お前ら! 腹から声を出せ!!
柊 真
柊 真
……もうやだこの人たち……
水端 清凪
水端 清凪
あ…あはは…
水幡 芹那
水幡 芹那
…えっと。とりあえず、
一体落ち着こうか…?
……ちょっと、この短時間の間に色々ありすぎて、
情報量の多さに驚くけど……
とりあえず、みんなが個性豊かな事と、
モノメントちゃんはちょっと怖い事が分かった。

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