朝日が昇り 、鳥や野良猫が活発に動き始めた頃
──── シャッ ────
あなた 「 うわあ ーー いい天気 !!! 」
カーテンを開け伸びをすると新品の制服を
身に纏い少し背伸びをして買った新作のリップを塗る
あなた 「 おかあさ ーーーー ん !!! 」
大声で下に居るであろう母を呼ぶ
しばらくして階段を登ってくる音が聞こえた
母 「 あら 、珍しく早起きじゃないの 」
あなた 「 そりゃあ高校生初日だよ ? 」
母 「 あなたもとうとう高校生ね ーー そろそろ恋のひとつやふたつしたらどうなの ?? 」
あなた 「 うるさいなあ !! それより 、髪の毛やってよ !! 」
母 「 今日だけよ ?? 毎日はしないからね ?? 」
あなた 「 うん !! 」
親子二人で仲良く喋っていると ...
──── コンコン ────
あなた 「 げっ .. 」
優太 「 失礼しまっす ーー 」
あなた 「 ちょっと何し n ... 」
母 「 あら優太くん !! 似合ってるじゃないの ーー 制服 ♡ 」
私の声を遮るように母が黄色い声をあげた
優太 「 そっすか !? やべえ俺イケ度倍増 !? 」
あなた 「 調子乗んなっ .. 」
小声で呟くと優太はこちらをジロっと睨みつけてきた
優太 「 んだよ 、 なんか言いましたか ーー ? 」
あなた 「 べっつに ーー !? 」
こいつは岸優太 、 保育園からずっと一緒という
なんとも言えない腐れ縁だ 、しかもクラスも一緒
親同士も大の仲良しでお互いの家には無言で
出入りできるような状態だ
高校の志望校もあっちが合わせてきたのか全く一緒
そして二人とも合格し二人ともまた同じ学校
あなた 「 で 、 なんの用よ ? 」
優太 「 なにって 、お前迎えに来たんだよ 」
あなた 「 はあ !? 迎えなんて頼んでない ! 」
優太 「 いいじゃんどうせ家隣だし ? 目的地同じなんだからさあ 、そんなピリピリすんなよ 」
母 「 お母さんも優太くんと行ってくれた方が嬉しいわあ ー ? 」
あなた 「 ..... っ !! もうわかった !! 」
お母さんのキラキラした眼差しに弱い私はすぐ折れた
母 「 優太くんご飯は ーー ?? 」
優太 「 食べてないっす ! 」
母 「 あら 、じゃあ食べていきなさい !! 」
優太 「 あざっす !! さっせ ! 」
あなた ( もう .. 二人で盛り上がっちゃって .. )
──── ピロン ────
あなた 「 優太 、そこ 、取ってくんない ? 」
優太 「 ん 、どうぞ 」
優太は私にスマホを渡すとそのままグイッと顔を
近づけ後ろから一緒にスマホを覗き込んだ
あなた 「 ちょっとなんでみんのよ 」
優太 「 ん ? 彼氏いないかチェック 」
あなた 「 いても関係ないでしょ ! 」
優太 「 俺が OK 出したヤツ意外と付き合っちゃダメなのお前は 。 」
あなた 「 ... なにそれ 、 馬鹿じゃないの 」
優太 「 まあそんな物好きいないだろうけど 」
あなた 「 殴るよ 」
なんて会話をしながら通知を開くと親友からだった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。