第4話

お届けもの
182
2026/05/18 13:10 更新
あなた
あ…れ…?



気がついた時には、どれくらい時間が
経っているのか分からなくなってしまっていた




花の冠や花束、指輪に腕輪
おばあちゃんに元気になってもらおうと
夢中になりすぎてしまった




あなた
大変…また夢中になりすぎちゃった…




ふと脳裏にお母さんの顔が浮かび、
思わず立ち上がる






あなた
まずい、早くおばあちゃん家に行かないと



スカートに付いた土を払い落とし、
赤いずきんをしっかりかぶりなおす











おばあちゃんの家に着いたのは
お昼を回った頃だった







あなた
おばあちゃーん、あなたよ!入るね?
おばあちゃん
あぁ、あなたかい、お入り




扉を開け、中に入るとおばあちゃんは
ベットに横になっている





もう、慣れっこだ





一緒に花畑で花冠を作ったことも

お弁当を持ってピクニックに出かけたことも






ちゃんと覚えている

あれは夢なんかじゃなかった、と






最初は、寝たきりのおばあちゃんを
見るのも辛かった





でも、もう慣れっこだ




病気が良くならないのなら、
たくさん会いにこよう


たくさん元気を届けよう






あなた
おばあちゃん、体調はどう?
今日は食べたいって言ってたクッキーをね
お母さんが作ったからお届けにきたのよ
おばあちゃん
ありがとう、うれしいねぇ




にこっと笑ったおばあちゃんの
口元で何かがキラッと光った





あなた
おばあちゃん………?





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