気がついた時には、どれくらい時間が
経っているのか分からなくなってしまっていた
花の冠や花束、指輪に腕輪
おばあちゃんに元気になってもらおうと
夢中になりすぎてしまった
ふと脳裏にお母さんの顔が浮かび、
思わず立ち上がる
スカートに付いた土を払い落とし、
赤いずきんをしっかりかぶりなおす
おばあちゃんの家に着いたのは
お昼を回った頃だった
扉を開け、中に入るとおばあちゃんは
ベットに横になっている
もう、慣れっこだ
一緒に花畑で花冠を作ったことも
お弁当を持ってピクニックに出かけたことも
ちゃんと覚えている
あれは夢なんかじゃなかった、と
最初は、寝たきりのおばあちゃんを
見るのも辛かった
でも、もう慣れっこだ
病気が良くならないのなら、
たくさん会いにこよう
たくさん元気を届けよう
にこっと笑ったおばあちゃんの
口元で何かがキラッと光った













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。