ーデイパラキート事務所ー
阿部ノアへの事情聴取を終えた彩葉、凛、愛は、デイパラキート事務所にて一服していた。凛は彩葉に許可を得て紅茶(ストロベリー茶なので、おそらく美蕾のため)を淹れ、愛はさっきついていけなかった事情聴取の内容を紙に整理していた。
ノート
・阿部ノアは記憶なし(記憶障害&混乱による)
・記憶ないのは事件前数ヶ月から
・再発症の心当たりなし
・弟さんは仲良い
〈弟の変わった行動〉
・最近よく料理代行
・後はあまり覚えてない
凛が不安そうに玄関の方を見つめ、さらに端末に連絡が入ってないか確認し始める。
彩葉は子供っぽくヘソを曲げた。凛愛は、だから「警察」ではなくて「けーさつ」と雑に彼女が言うのだと納得した
そうこう話してると、
ガチャリ
疲れた声が事務所に響く。
美蕾がコクリと頷いたのを確認したのち、凛は赤希を見る
赤希が初めて他人に挨拶が言えた我が子を見る親のような目で美蕾を見ると、凛と愛の顔が華やぐ。
凛は美蕾に駆け寄り抱きつこうとして、躊躇って止まったのち、ぎごちなく、遠慮するように彼女に抱きついた。
愛も美蕾の頭を遠慮なく、でも優しく、撫で始めた。
彩葉は口を尖らせる。拗ねた子どもそのものだ。
空気が凍っていた、そんな時だった。
その場の全員が玄関の方を見る。そこには、確かに東蒼が帰ってきていた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!