私はやがて鬼殺隊士になった。
今のカナヲにはすこし実力は劣っていたかもしれないけど、周りの隊士よりは呼吸も優れていたと思うし、実力もあったと思う。
きっとあの時の私は実力を過信していた。
″あの時″が来たのは突然だった。
いつも通りアオイたちの美味しいご飯を食べ、翌日の鍛錬に備えていつもより早めに眠りについた。
鍛錬を終えたその日の夕方、任務に向かった。
🦋
任務先で、私は衝撃的な光景を見た。
すこし遅れて到着した私は、すでにほかの隊士が鬼と対峙していることに気づいた。
そして、その鬼が十二鬼月、またはそれ相応の実力を持っているだろうということにも。
その鬼がほかの隊士のことをカナエと呼んでいるとこに驚き、2人の姿を見ると、なんと他の大使は姉であるカナエだった。
そして、鬼は_上弦
幸い、私の存在は鬼に気づかれていなかった。
なら、不意打ちを狙うしかない。
鬼に切りつけたはずだった3秒後、私は地面に打ち付けられていた。
私の攻撃は当たったものの、上弦の鬼にとってはかすり傷。
それでも
姉さんと鬼が戦っている。
その隙をぬって攻撃を打てれば、姉さんは体制を立て直せる。
私ならできる。相手が上弦だとしても!!!
はぁっはぁっはぁっ
自分の呼吸がはっきり聞こえる。
心臓の鼓動が聞こえる。
集中が極限まで高まっているのがわかる。
私たちなら勝てる。
隙をつけた。はず
だけど
グサッ
私が_姉さんを殺してしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!