─────🚪バタンッ
あたしはお母さんに返事をして、すぐに自分の部屋に行った
─────🚪バタンッ
それにしても、こんなに幸せで良いんだろうか?
イケメンで優しい彼氏がいて、祝福してくれる友達も、先輩もいて。
こんな普通で平凡なあたしが……?
正直、白石先輩への気持ちの整理はまだできていない。
でも、財前が真っ直ぐにあたしに伝えてくれたから、あたしもそれを返さないといけない…
─────夜
「夢だったとしたらどうしようかな」
そんなことを考えながらあたしは眠りについた
─────朝🐓🔅´-
でも現実は何も変わらなかった
当然のように、ドアを開けたら財前が立ってる
表面上の笑みを浮かべながら、あたしは少し、別のことを考えていた
財前には悪いけど、白石先輩のこと
もしかしたら、先輩と両思いなんじゃないかって思ってたけど、違ったのかなって
先輩の隣にこんなふうに笑顔で並びたかったな
そんなことを考えていたら、視界がぼやけた
あたしの涙にすぐ気づく
財前のいいところだし、悪いところでもある
白石先輩に向けての涙もすぐにバレるし
あたしの顔を覗き込む財前がなんだか可愛らしくて、あたしは少し涙が引っ込んだ
あたしは不自然なほど元気な振りをして、財前の隣で笑ってた
きっと、あんな下手な嘘、財前はお見通しだろうけど、それを言わないでいてくれるのは財前のいいところだと思う
───── 1ヶ月後
全国大会の前日、あたしと白石先輩は後片付けをするために残っていた
……気のせい、だよね
先輩には彼女もいるし…ね
先輩は、あたしの頭を軽く撫でた
─────忍足家の前🏠
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。