第3話

3話 変わり果てた君
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2023/01/17 13:44 更新
転孤side

どれだけ待っても、あなたの旧姓ちゃんが公園に来ることはなかった。

空は薄暗くなり、静かに雪が降り始めた。

体の芯から冷えてきて凍えそうだった。
転孤
転孤
あなたの旧姓ちゃん……。まだかなぁ…
帰らないといけないのはわかっている。

だけど、何故だか体が動かなかった。
ハナちゃん
ハナちゃん
あ!転孤!こんなところで何してるの?
転孤
転孤
ッ…!
は、はなちゃん…。
僕、友達を待っているの
声を掛けてくれたのは、あなたの旧姓ちゃんではなく、ハナちゃんだった。
ハナちゃん
ハナちゃん
友達?こんな時間に?
もう、5時だよ?早く帰らないと、お父さんに怒られるよ?
転孤
転孤
で、でも…ッ
あなたの旧姓ちゃんが、此処に来るって言ってたんだ…
ハナちゃん
ハナちゃん
ん〜…。忘れているんじゃない?それか、お家の用事で来れなくなったとか…?
転孤
転孤
で、でも…あなたの旧姓ちゃんは約束を破るような子じゃないんだよッ!絶対いつも来るんだよ…。
だから、だから…
だから絶対に来る。

そう信じていた。

でも、最後まで言葉に出来なかった。

もしも、もしも僕のことが嫌いになったらって思ってしまったから。
ハナちゃん
ハナちゃん
…そっか…。
でも、今日は帰ろ?
転孤、風邪ひいちゃうよ?
転孤
転孤
…うん
そう思って、公園から出た時。

僕の脳内に

『転….孤…』とあなたの旧姓ちゃんの声が響いた。
転孤
転孤
ッ!?あなたの旧姓ちゃん!?
ハナちゃん
ハナちゃん
えぇ!?て、転孤!?
僕は繋いでいたはなちゃんの手を勢いよく離し駆け出した。

あなたの旧姓ちゃんのお家は知らない。

だけど、僕は無我夢中で走った。

あなたの旧姓ちゃんのところに行ける気がしたから。

走って、走って、走って…。

僕は黒い屋根のお家の前に来た。

そこは僕のお家よりも大きくて立派な家だった。

転孤
転孤
っはぁ…はぁ…ごほっ…はぁ…はぁ
このお家があなたの旧姓ちゃんのお家かな?

そう思い、門を開けようとした時、

僕の視界に何かが映った。

見たことのある短いクリーム色の髪の毛、

小さな体

そして、
転孤
転孤
.ぇ?…
首を見て確信した。 

前に遊んだ時に見せてくれた蔦と薔薇の模様呪い…。

そこには傷だらけでところどころ流血している

あなたの旧姓ちゃんが倒れていた。
転孤
転孤
あなたの旧姓ちゃんッ!
僕はあなたの旧姓ちゃんを抱き抱えた。

雪が降っているせいか、とても冷たかった。
転孤
転孤
あなたの旧姓ちゃんッ!あなたの旧姓ちゃんッ!
体を揺らしてみるが反応はない。

しかし、浅くはあるが息をしている。
そこに遅れて僕に追いついたはなちゃんが来た。
ハナちゃん
ハナちゃん
転孤ッどうした…の…
ッッ大変!この子、どうしたの!?
転孤
転孤
はなちゃんッどうしよう、あなたの旧姓ちゃんがあなたの旧姓ちゃんが、冷たいんだッ…。
息は浅いけどしている…。だけど反応がないんだッ!
ハナちゃん
ハナちゃん
と、取り敢えず、お家に連れて帰ろッ。
そして、お母さんに見せようッ。
転孤
転孤
う、うんッ…。
あなたの旧姓ちゃん、ごめんね、おんぶするよッ
そして、僕らはお家に帰ることになった。
ガチャ
転孤&華ちゃんのお母さん
転孤&華ちゃんのお母さん
ッ!転孤ッ華ッどうしたの!こんな時間に!
ドアを開けると、お母さんが焦った様子でいた。
ハナちゃん
ハナちゃん
ッッ。お母さんッ!この子を助けてッ!
転孤
転孤
お母さんッ!あなたの旧姓ちゃんが、あなたの旧姓ちゃんがッ!
すぐにお母さんは慌てている僕たちの状況を理解したのか、背負っているあなたの旧姓ちゃんをすぐにソファへと連れていった。
転孤&華ちゃんのお母さん
転孤&華ちゃんのお母さん
…なんとか、状態は落ち着いたようね。
ところで、華ちゃん、転孤、何があったの?
僕らは順番に話をしていった。



公園で遊ぶはずだったのに、5時になってもこなかったこと。



約束を破るような子じゃないから心配になってもう少し待ってみたこと。



30分経っても来なかったから帰ろうとしたこと。



帰ろうと思ったら何処からか自分の名前が呼ばれた気がしたこと。



その声があなたの旧姓ちゃんに似ていたこと。



無我夢中で声のする方に走っていったこと。



走り続けるとあなたの旧姓ちゃんの家に着いたこと。



玄関の前で血を流したあなたの旧姓ちゃんが倒れていたこと。



意識がなかったから心配して家まで連れて帰ったこと。
転孤&華ちゃんのお母さん
転孤&華ちゃんのお母さん
それって…虐待?
ハナちゃん
ハナちゃん
ぎゃくたい?
転孤
転孤
“ぎゃくたい”と言うのが何なのかはわからないけど、兎に角あなたの旧姓ちゃんが大変な状況に置かれているっていることだけはよくわかった。
転孤&華ちゃんのお母さん
転孤&華ちゃんのお母さん
…取り敢えず、しばらくはうちに居てもらいましょう。
転孤
転孤
…うん
僕はそっとソファの上で眠っているあなたの旧姓ちゃんの頭を撫でた。

このままあなたの旧姓ちゃんが離れていってしまう気がしたから。

とても怖く感じた。
転孤
転孤
あなたの旧姓ちゃん…
僕はただあなたの旧姓ちゃんが早く起きる事を願う以外出来ることがなかった。

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