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第1話

火種
27
2024/07/07 08:25
何やら周囲が騒がしい
「...ひっく...うぅ〜」
何で私が泣かせたみたいになってるの?
「流石にそこまでやる必要なくない?」
「クズじゃん」
何が?
そっちが勝手に妬んで実力見ずに売った喧嘩でしょ
自業自得だろ、私はちゃんと手加減した。君が、君達が弱かっただけなのに
「私、泣かれる筋合い無いんだけ、どッ!?」

バシンッ

突然感じた頬への衝撃に呆気に取られていると
「ッ人でなし!!」
そう言い残して彼女たちは走り去って行ってしまった。
残ったのは、試合の残り香と、私に向けられた軽蔑と困惑が混じりあった視線だけだった


「...痛い」
独り言は周囲の喧騒と溶け合って
消えた

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