その場所を通りかかったのは、花や蝶が舞うような軽やかな足取りの男
八番隊隊長・京楽春水だった。
麦わら帽子を被り、
ピンクの花柄の羽織を引っ掛けた彼は、
どこか気だるげに空を見上げていたが、ふと足を止めた。
京楽が鋭い目を細め、路地裏の影に視線を向けたその瞬間。
軽やかな声とともに、白い虚の仮面をつけた女がひょっこりと姿を現した。
その腰には、触れる者を腐敗させる『黄泉津霊草』が静かに不気味な光を放っている。
京楽は片手をスッと自身の斬魄刀の柄に添え、いつものふざけた調子を少しだけ引き締めた。
かつて護廷十四番隊の隊長だったあなたにとって
十三隊の隊長陣は勝手知ったる顔ぶれだ。
特に京楽のような曲者は、まともにやり合えば一筋縄ではいかないことを誰よりもよく知っている。
だからこそ、あなたはあえて不気味に低く、わざとらしく作った声を響かせた。
京楽はそう言いながらも、あなたから漂う霊圧の質にどこか違和感を覚えていた。
死神のそれにしては澱んでおり、
虚にしては妙に洗練されている。
得体の知れない不気味さに、京楽はわずかに眉をひそめる。
ピリッとした緊張感が、路地裏の空気を支配する。
その緊迫した空気をぶち壊すように、あなたの背後からひょっこりと別の影が飛び出した。
あわててチタリの口を抑えるあなた
だが、そのチタリの姿と「大虚」じみた圧倒的な霊圧を目の当たりにして、京楽の表情がさらに険しくなった。
笑い飛ばしたその瞬間、路地裏の物陰から鋭い声が飛んできた。
呆れ返った表情で姿を現したのは、副隊長の来栖愁だった。
その刀にはすでに危険なほど高圧の水流が渦巻いている。
さらに、その後ろから優雅に笑う暮葉までひょっこり現れた。
次々と正体を隠す気のない仲間たちが現れ
京楽の前には「無法者集団・宵月隊」の面々が勢揃いしてしまった。
京楽は苦笑いを浮かべつつも、その手からわずかに霊圧を立ち昇らせた。
仮面をつけた女の正体にまだ気づいてはいない。
しかし、この一癖も二癖もある無法者たちが、
これからの尸魂界の命運を大きく揺るがす台風の目になることを、京楽の本能が静かに警告していた。

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。