《宮益坂》
スマホの電源を付け、時間を見ると
もう学校は終わったくらいの時間になっていた
彼の声が聞こえてきた
僕は、振り返りもせず話し始めた
彼の声のトーンが少し低くなった
しかし、次に彼が言葉を発した時には
明るい声色へと戻っていた
振り返ると、黒いパーカーを着た彼は
笑顔でこちらを見ていた
僕の驚いた顔を見ても、何も思わなかったのか
ソイツはそのまま話を続けた
しばらく、ポカンとするしか無かった
だけどすぐに、僕は言葉を返した
わざとらしいくらい明るい声で言ったソイツに
俺は冷たい声で言い放った
目の前にいる、司くんの姿をした誰かは
パーカーのフードを被り、言った
宮益坂に着くと、なぜか人が沢山いた
いつもはこんなに多くないんだが⋯
類は今警察に捜索されている身だ
人気の少ない場所の方が良いと思い
「場所を変えよう」と送ろうとした時
ある違和感に気が付いた
もちろん、まだここに着いてない可能性もある
だけど、どうもその違和感が引っかかって
気が付けば人混みの中へと入っていた
この先に何かある、というオレの予想は
当たっていたようで
人に囲まれたその中心には
血塗れで倒れている類がいた
次回.最後の会話

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!