A few days later
海人side
食事会が終わって数日経ったある日
紫耀がまぁまぁ大きめのダンボールを持って家にやって来た
海人
あ、いらっしゃい
紫耀
…これ、
海人
これ全部貰っていいの、?
紫耀
うん、父さんもういらないみたいだし、笑
紫耀
逆に貰ってくれた方が助かるんだって笑
海人
ありがとう、笑
海人
…家入る?
紫耀
…いやいいよ。これ渡しに来ただけだし
母
海ちゃんーー?紫耀くん来てるんでしょ?家に入れてあげなさいー?
海人
母さんもあー言ってるし、入って、?
紫耀
…じゃあ、お邪魔します
紫耀と同じ空間にいる
こないだだって同じ場にいたはずなのに
紫耀と一緒にいることがすごく久しぶりな気がする
海人
あ、俺お茶持ってくる
紫耀
あー大丈夫。そんな長くいないから
海人
分かった、
紫耀
…なんか、話すの久しぶりな気がする笑
海人
それ俺も思った、笑
紫耀
あの日海人にドタキャンされたからなぁ笑
海人
それはほんっとごめん!
海人
母さんに早く帰ってこいって言われちゃって…
紫耀
小学生か、笑
海人
いやほんとに、!
海人
その日に母さんが再婚することになったって知ったの…
紫耀
あーなるほどね、
海人
だからまた今度遊び行こうよ
海人
俺、なんか奢る
紫耀
友達として?
海人
ん?何が?
紫耀
海人あんまり実感湧いてないかもしれないけど、俺たち兄弟になんだよ
海人
、分かってるよ?
紫耀
急に今まで友達だった人が兄になって、今まで通り話せる?
海人
関係が変わるだけで、その人の中身は変わらないじゃん
海人
俺は今まで通り紫耀と遊びに行ったりもしたいし、話したり、一緒に音楽聴いたりしたいと思ってるんだけど…
海人
…紫耀は俺が弟になるのが嫌なの、?
紫耀
違う、そうじゃない。
海人
じゃあ何、?
そう言った瞬間視界が暗くなって
柔らかいものが唇に触れた
紫耀
…俺さ、お前のこと好きなんだよ
next.
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第6話 兄弟になること
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!