1人立ち尽くしている徹くんを見つけ、
そっと近づいていく。
私が謝る前に言葉を遮って
何故か徹くんが謝る。
そうだ、悪いのは私。
全部何もかも悪いのは私だけなんだから。
あの3人に手を出された時から一度だって
誰かに助けを求めたことは無かった。
なのに最後になって徹くんに甘えた。
今まで隠し通してきたんだから
最後まで完璧に隠し通せば良かったんだ。
そうしなかった結果がこれだ。
その言葉を聞いた瞬間に
喉の奥がキュっと締め付けられて
目に薄らと膜が張る。
徹くんの胸板を叩いて言う。
徹くんに必死に訴える私の声は
段々と涙声に変わっていく。
もう一度胸板を叩こうと
右手を上げた瞬間に、それは徹くんの
手によって空中で止まる。
アンケート
何時がいい?
18時
44%
19時
16%
20時
20%
21時
9%
22時
4%
23時
8%
投票数: 1066票
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!