第3話

第二話 S.P.E.C.T.R.E.
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2026/06/29 15:17 更新
前回までのあらすじ
オカルト部の白鐘伊織しろがねいおりは、不思議な事件について探るためにとある村へ向かい、不審な廃校を特定。
廃校の校門前にいた人語を話す謎の黒い狐「ニャル」にちょっとした興味が湧いちゃった伊織は、一緒に廃校の中へ。
すると教室の窓が音を立て、次の瞬間は建物が倒壊していた。大怪我を負い、そこを犯人と思しき人物に殺されそうになる伊織とニャルだが、窮地をS.P.E.C.T.R.E.スペクター(組織名?)の「悠人ゆうと」と「哲也てつや」に助けられる。
悠人が無事、謎の人物を倒したものの伊織は意識を失った。
無機質な白い部屋で伊織は目覚めた。
辺りを見渡すと、石田と呼ばれていた男がそこにいた。
手足は椅子に縛られ、身動きが取れない。マジックミラーらしきものがあり、カメラもついている。
これから尋問されると言うことだろうか、どうやらかなりの面倒事に巻き込まれたようだ。
哲也
起きましたか?
伊織
うっ眩しい…
ここはどこですか?
それとあなた達は味方なんですか?
ヤツはどうなって…?
哲也
ご心配なさらず。我々はあなたに危害を加えるつもりはありません。
自己紹介が遅れてしまいましたね。S.P.E.C.T.R.E.スペクター 怪異対策部 第三機動隊所属、石田哲也いしだてつやです。
S.P.E.C.T.R.E.は日本政府直属極秘組織で、怪異の対策を行なっています。
伊織
は、はぁ…
あの時は、能力を悪用していると思われる犯罪者の逮捕を行うためにお二人が派遣されたということですか?
哲也
ええ。話が早くて助かります。
では、本題を簡潔に入ります。あなたをS.P.E.C.T.R.E.にスカウトしたいのです。
話によるとニャルを監視下に置きたいそうだ。
ニャルは僕と協力をする契約をしており、契約を破れば沈静化が解除され、狐が凶暴化しかねないんだそう。安全に監視したいため、僕に来て欲しいようだ。
伊織
しかし、僕には学校もありますよ…!
哲也
承知の上です。
あなたは幼い頃両親を亡くしており、学校ではいじめられて孤立。
転校しようにもできなかったのでは?
伊織
ッ…
なるほど、全て知られているわけですね。
しかし…
哲也
勉強は問題ありません。
怪異に関する指導だけでなく、学校で教わる態度内容も取り扱えます。
それでも仲間になる義理はないため、断ろうとした。
しかし、弱みを握られていた。
刑法第130条「建造物侵入罪」や、学校を破壊の刑法第260条の「建造物損壊罪」。
また、公にはされていないものの、瓦礫が人に当たり片足を失っているため、重過失致傷やテロ容疑の可能性もあるようだ。
哲也
君は無実だ。
だが、無実を証明できる人間はもういないんだ。
我々なら、この時間の全てを揉み消せる。
あとは君次第なんだよ。
哲也の口調が荒くなった。おそらく弱みの件は本当なのだろう。
罪を着せられれば少年院送りにされ、仮に出たとしても前科者としての堕ちた生活になるだろう。
しかし、こちらはただ一方的に話を聞かされているだけだ。あちらについたメリットもデメリットも考えさせてもらえてないのだ。
伊織
考えるのに二つ質問させてください。
あなたがたに従ったときのメリットとデメリットを教えてください。
哲也
ふっ…冷静です。実にしっかりしている。
デメリットは命を保証できない事ですね。
哲也
しかし、メリットは山ほどありますよ。
高収入、高福祉を約束します。
そしてなにより伊織さん、あなたは好奇心に嘘を吐けない。そうですよね?
伊織
くっ…全部お見通しってかよ
哲也
さぁ、あなたも此方に来ませんか?
部屋から出た先に広がっていたのは恐ろしいほどに広く、興味深い町だった。
お世辞にも賑わっているとは言えないが、そこかしこで人の声が聞こえる気がする。
そして、奥には見えるナマケモノとカエルを足したような見た目の巨大な生物(トト〇みたい)が鎮座している。
伊織
なっ…なんですかここ!
哲也
まぁそのうち全部わかるよ。
今は何もせずにただ付いて来るんだ。
そう言われながら付いて行った先には、自販機があった。哲也は100円を入れた。
哲也
今から私がすることを全部覚えなさい。
伊織
はい…わかりました。
伊織は何も教えてもらえず謎ばかりでモヤモヤしているものの、不承不承その言葉に従うことにした。
哲也は、コイン返却バーと1番左上のドリンクのボタンを同時に使用した。そしてボタンを何回か押したのち、自販機がまるで扉のように開き、その先が道になっていた。哲也はそこを閉じた。
哲也
さぁ、できるかな?
伊織は哲也のしていたことを全て真似た。
すると、あの時と同じように自販機が開いた。
哲也
よし。じゃあ行こうか。
そう言って自販機の奥へと進んだ。
道は暗く、灯りは25メートルおき程度にある松明のみだ。
伊織
そういえば、なぜ僕に対して口調が柔らかくなったのですか?
哲也
まぁ一応後輩になるんだし、他人ってわけでもなくなったからね。伊織もタメ口でいいよ。
あれから5分か10分ほど歩いただろうか。道に終わりが来て、哲也が扉を開けた。
その先には会社のエントランスのようなものが広がっており、スーツ姿の男性や白衣姿の女性、武器を持った人々が行き交っていた。中には伊織のように学生とも思える人すらいた。
哲也
さぁようこそ!
S.P.E.C.T.R.E.
正式名称「対超常制圧・収容戦略所」
その本部へ!
悠人
お!おっちゃんじゃねぇか。
桑原さんが呼んでたぞ。
哲也
おお、そうか。
伊織君、改めて紹介しよう。彼は私と同じ第三機動隊所属の紅蓮悠人ぐれんゆうと君だ。
伊織
どうも、白鐘伊織と申します。
悠人
チッ…
伊織は、悠人に向かって頭を下げたが、舌打ちをされたような気がした。
哲也
この後検査をするから、もう少し付いてきてくれ
悠人も検診だろ?一緒に来なよ
そう言って哲也は先へと向かった。
二人はそれについていくことになったが、伊織はたびたび睨まれている気がしてならなかった。
研究施設のようなところへ着き、椅子に座らさせられた。
そして頭にヘルメット(コードの様なものがたくさん付いていた)を被った。
哲也
心配しなくても大丈夫。脳波の検査だ。
暇だしS.P.E.C.T.R.E.についてお話ししましょうか。
そうして哲也のS.P.E.C.T.R.E.講座が始まった。

・S.P.E.C.T.R.E.は平安時代の政府直属の陰陽師集団から始まった。主に被害者の保護や事務作業、研究や怪異の収容・討伐を行っている。
・最初のトト〇のような生き物は「ツァトゥグア」という幻獣だそう。拠点を樹海の地下に隠し、管理しているらしい。
・部署は「怪異対策部」・「危険物管理部」・「情報部」・「諜報部」・「司令部」の5つがあるらしい。具体的な配置は司令部の一握りしか知らない。
・伊織が入る班は今のところ、紅蓮悠人、石田哲也、今井春奈の3人がいる。一つの隊には5~8個の班があるそう。

受けた説明はこんな感じだ。
哲也
一気に話したが大丈夫か?
検査は終わりだ。これからよろしくな。
僕はヘルメットを外し、哲也と固い握手を交わした。
その後、ニャルと合流し同じ班のメンバーに挨拶。細かいルールについて教わり、研究所を後にした。
哲也
今日は伊織の部屋まで送ってくよ。
S.P.E.C.T.R.E.は安全確保の為、全関係者には個別の部屋が支給されるようだ。
伊織
今日はいろいろ、ありがとうございました。
哲也
気にすんなって
明日から早速任務だから頑張れよ!
ペアは悠人だから、何か困ったらアイツに聞いてくれよ
話しているうちに部屋に着き、伊織は部屋へ入り哲也と別れた。

伊織はいまだに心と頭の整理が追いつかず、ベッドに横になるとどっと疲れと眠気が押し寄せた。
明日からの生活を想像しながら、伊織は眠りについた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
もっと人気になりたいので、フォローや拡散等よろしくお願いいたします。

文量についてですが、増やしたほうがよろしいでしょうか。コメントでご意見をお聞かせください。
また、この話と同時にS.P.E.C.T.R.E.の極秘資料と、心臓外科を題材にした新作を書いたので是非、そちらもお読み下さい。

では、次の話でお会いできるのを楽しみにしております。

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