前回までのあらすじ
オカルト部の白鐘伊織は、不思議な事件について探るためにとある村へ向かい、不審な廃校を特定。
廃校の校門前にいた人語を話す謎の黒い狐「ニャル」にちょっとした興味が湧いちゃった伊織は、一緒に廃校の中へ。
すると教室の窓が音を立て、次の瞬間は建物が倒壊していた。大怪我を負い、そこを犯人と思しき人物に殺されそうになる伊織とニャルだが、窮地をS.P.E.C.T.R.E.(組織名?)の「悠人」と「哲也」に助けられる。
悠人が無事、謎の人物を倒したものの伊織は意識を失った。
無機質な白い部屋で伊織は目覚めた。
辺りを見渡すと、石田と呼ばれていた男がそこにいた。
手足は椅子に縛られ、身動きが取れない。マジックミラーらしきものがあり、カメラもついている。
これから尋問されると言うことだろうか、どうやらかなりの面倒事に巻き込まれたようだ。
話によるとニャルを監視下に置きたいそうだ。
ニャルは僕と協力をする契約をしており、契約を破れば沈静化が解除され、狐が凶暴化しかねないんだそう。安全に監視したいため、僕に来て欲しいようだ。
それでも仲間になる義理はないため、断ろうとした。
しかし、弱みを握られていた。
刑法第130条「建造物侵入罪」や、学校を破壊の刑法第260条の「建造物損壊罪」。
また、公にはされていないものの、瓦礫が人に当たり片足を失っているため、重過失致傷やテロ容疑の可能性もあるようだ。
哲也の口調が荒くなった。おそらく弱みの件は本当なのだろう。
罪を着せられれば少年院送りにされ、仮に出たとしても前科者としての堕ちた生活になるだろう。
しかし、こちらはただ一方的に話を聞かされているだけだ。あちらについたメリットもデメリットも考えさせてもらえてないのだ。
部屋から出た先に広がっていたのは恐ろしいほどに広く、興味深い町だった。
お世辞にも賑わっているとは言えないが、そこかしこで人の声が聞こえる気がする。
そして、奥には見えるナマケモノとカエルを足したような見た目の巨大な生物(トト〇みたい)が鎮座している。
そう言われながら付いて行った先には、自販機があった。哲也は100円を入れた。
伊織は何も教えてもらえず謎ばかりでモヤモヤしているものの、不承不承その言葉に従うことにした。
哲也は、コイン返却バーと1番左上のドリンクのボタンを同時に使用した。そしてボタンを何回か押したのち、自販機がまるで扉のように開き、その先が道になっていた。哲也はそこを閉じた。
伊織は哲也のしていたことを全て真似た。
すると、あの時と同じように自販機が開いた。
そう言って自販機の奥へと進んだ。
道は暗く、灯りは25メートルおき程度にある松明のみだ。
あれから5分か10分ほど歩いただろうか。道に終わりが来て、哲也が扉を開けた。
その先には会社のエントランスのようなものが広がっており、スーツ姿の男性や白衣姿の女性、武器を持った人々が行き交っていた。中には伊織のように学生とも思える人すらいた。
伊織は、悠人に向かって頭を下げたが、舌打ちをされたような気がした。
そう言って哲也は先へと向かった。
二人はそれについていくことになったが、伊織はたびたび睨まれている気がしてならなかった。
研究施設のようなところへ着き、椅子に座らさせられた。
そして頭にヘルメット(コードの様なものがたくさん付いていた)を被った。
そうして哲也のS.P.E.C.T.R.E.講座が始まった。
・S.P.E.C.T.R.E.は平安時代の政府直属の陰陽師集団から始まった。主に被害者の保護や事務作業、研究や怪異の収容・討伐を行っている。
・最初のトト〇のような生き物は「ツァトゥグア」という幻獣だそう。拠点を樹海の地下に隠し、管理しているらしい。
・部署は「怪異対策部」・「危険物管理部」・「情報部」・「諜報部」・「司令部」の5つがあるらしい。具体的な配置は司令部の一握りしか知らない。
・伊織が入る班は今のところ、紅蓮悠人、石田哲也、今井春奈の3人がいる。一つの隊には5~8個の班があるそう。
受けた説明はこんな感じだ。
僕はヘルメットを外し、哲也と固い握手を交わした。
その後、ニャルと合流し同じ班のメンバーに挨拶。細かいルールについて教わり、研究所を後にした。
S.P.E.C.T.R.E.は安全確保の為、全関係者には個別の部屋が支給されるようだ。
話しているうちに部屋に着き、伊織は部屋へ入り哲也と別れた。
伊織はいまだに心と頭の整理が追いつかず、ベッドに横になるとどっと疲れと眠気が押し寄せた。
明日からの生活を想像しながら、伊織は眠りについた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
もっと人気になりたいので、フォローや拡散等よろしくお願いいたします。
文量についてですが、増やしたほうがよろしいでしょうか。コメントでご意見をお聞かせください。
また、この話と同時にS.P.E.C.T.R.E.の極秘資料と、心臓外科を題材にした新作を書いたので是非、そちらもお読み下さい。
では、次の話でお会いできるのを楽しみにしております。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。