第10話

君の好きな人/三ツ谷隆
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2021/10/28 14:41 更新
あなた
ターカちゃんっ!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あれ?あなたどうした?

放課後、隣のクラスに行ってタカちゃんに声をかける。
タカちゃんは私がずっと片想いをしている幼なじみだ。
あなた
今日手芸部遊び行っていい?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
別にいいけど。部活は?
あなた
今日おやすみー♪

タカちゃんは手芸部の部長で、私はバスケ部。

私の部活が休みの日は手芸部に遊びに行って一緒に帰るのが楽しみだったりする。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
今日はフリーマーケットに出す物を作ってみよう。余り無理すんなよ。
女子
はいっ

タカちゃんはみんなに指示を出してから、自分でもミシンを使って作業を始めた。
あなた
ねーねー、タカちゃんは何作るの?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ブランケット
あなた
ブランケットいいなぁー。
私も欲しいー!

私はタカちゃんの隣に座って机に頬づえをつきながら、ミシンに向かうタカちゃんを見つめる。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
フリーマーケットの作り終わったらでいい?
あなた
えっ!いいの?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
欲しいんだろ?
あなた
ほしいっ!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
その代わり、週末に生地買いに行くの付き合えよ(笑)
あなた
うんっ♪

タカちゃんは私をみてニッコリと笑うと、またミシンに視線を移した。
あなた
あっ、サッカー部練習試合やってるー!

ふと窓の外を見たらグラウンドでサッカー部が他校との練習試合をしていた。

運動部な私はその試合も気になって、タカちゃんの後ろに自分のイスを移動すると窓の方に向かって座って試合を見始めた。
あなた
あー、入れられてるー
あなた
ボール奪い返した!いけいけっ!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
見に行ってくれば?

白熱した戦いに興奮して小さな声で声援を送っていた私にタカちゃんが問いかける。
あなた
あっ、ごめん!うるさかった?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
いや。別にそうじゃねーけど。
サッカー部気になるのかなって・・・
あなた
んーん、タカちゃんのとこいるー!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
うわっ・・・危ねーって

イスを傾けてタカちゃんの背中にもたれかかれば、タカちゃんは慌てて私を元の位置に戻した。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
んなことしたら転ぶだろ
あなた
私バランス感覚いいから大丈夫だもーん
三ツ谷隆
三ツ谷隆
お前なぁ・・・

タカちゃんは呆れ顔で私を見てため息をついた。
女子
部長ー、コレみてください!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あぁ、今行く。
あなた大人しくしとけよ
あなた
はーい

タカちゃんはまるでルナとマナにするみたいに私の頭に手を置いて言うと、部員の女の子の所へと向かった。

同い年なのにどこか大人なタカちゃんはいつも私を子供扱いする。嬉しいけど、それ以上の関係になれない気がして切なくなった。
女子
この縫い方が上手くいかなくて・・・
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ここはこうするといいよ

女の子の後ろから手を伸ばして縫い方を教えているタカちゃんは、女の子と距離が近くてなんだか気に食わない。
あなた
むー・・・
三ツ谷隆
三ツ谷隆
なーに頬っぺた膨らませてんだよ(笑)
あなた
なんでもなーい
三ツ谷隆
三ツ谷隆
じゃあ、笑っとけ(笑)

戻ってきたタカちゃんは、そう言って私の頬を突っつくと、また自分の制作に取り掛かる。
あなた
ねぇ、私もなんか作る!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
はぁ?お前裁縫なんて出来ねぇじゃん
あなた
手縫いくらいできますぅ!!

舌を出してドヤ顔すれば、タカちゃんは棚にあった裁縫セットを持ってきてくれた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
なに作んの?
あなた
巾着!それくらいなら私にだって出来る!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
そりゃ楽しみだ(笑)
そこの生地好きなの使っていいよ
あなた
ありがと

挑発的なタカちゃんを見返そうと私は生地を選んで裁断して、早速手縫いしていく。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
怪我すんなよ
あなた
よゆーよゆー!

針に糸を通して縫い始める。
我ながら完璧な縫い目に惚れ惚れしながら、サクサクと縫っていく。


はずだったのに・・・
あなた
いったーい!!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あーあ。言わんこっちゃない。

針で指を刺した私を呆れ顔で見るタカちゃんは、こんな未来を知っていたかのように言う。
あなた
うわっ・・・血ぃ出たっ
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ほら、貸して
あなた
えっ・・・///

タカちゃんは私の手を取って、針を刺した指を舐めた。
たった一瞬なのに大きく高鳴る心臓。

触れられている手からそのドキドキが伝わってしまうんじゃないかってくらい激しく脈を打つ。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
うん、止まった。
また怪我すっからやめとけ
あなた
う、うん・・・///

照れくささと恥ずかしさでタカちゃんの顔が見れない私をよそに、私の前から裁縫セットを片付けた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あと少しで終わるから大人しく待ってて
あなた
うん、

それから部活が終わるまで私はタカちゃんが舐めた指を見つめながら、高鳴る心臓を抑えることに必死だった。







三ツ谷隆
三ツ谷隆
あなた、お待たせ。帰ろ。
あなた
うん
三ツ谷隆
三ツ谷隆
指、大丈夫?
あなた
・・・うん、大丈夫

部活が終わって部員を見送ったタカちゃんとふたり、薄暗くなった廊下を歩く。

さっきのことが頭をよぎって赤くなる顔をそらした。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
・・・またサッカー部見てんの?
あなた
えっ?

何も考えずに向けた視線の先には、練習試合のあとのクールダウンをしているサッカー部がいた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
サッカー部に好きな奴でもいんの?
あなた
えっ、居ないよ!そんなの居ない居ない!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
んな否定すると逆に怪しいって(笑)

そう言ったとき、表情が少し曇ってみえた気がした。
あなた
タカちゃんは好きな子いないの?
手芸部の子とか・・・
三ツ谷隆
三ツ谷隆
いるよ?手芸部じゃねーけど(笑)

"好きな人がいる" だなんて事実を初めて聞いた。

それだけで泣きそうで、好きな人のことなんて聞きたくもないのに、幼なじみを演じたい私の口は勝手に話を続ける。
あなた
タカちゃんが好きになる人はきっと女の子ーって感じの可愛い子なんだろうなぁ。

止まれって必死に心で願っても私の口は止まってくれない。
あなた
裁縫とか得意で、料理もできてさ。
そんな子がタカちゃんには似合う気がする。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あー、うん。女の子らしい可愛い子だよ。

その一言で失恋が決まった私。
今更遅いのに、こんな話をしてしまったことに後悔した。

必死に堪えるのに流れ落ちる涙。
もうどんなに頑張っても止めることが出来なかった。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あなた・・・泣いてんの?
あなた
こっち見ないで・・・

見られないように必死で体の向きを変えるけど、タカちゃんによってまた向きを変えられて、腕の中へと包まれる。

そして、まるで赤ちゃんをあやすみたいに背中をトントンと叩かれた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
なんで泣いてんの
あなた
なんでもない・・・
三ツ谷隆
三ツ谷隆
なぁ、その涙はさ、俺のこと好きなのに失恋したと思ったからだって自惚れてもいい?
あなた
んなわけないじゃん。ばか。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
そっかぁ・・・

図星なのに、振られることが分かってるのに好きなことをバレたくなくて嘘をついた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
俺の好きな子はさ、自分が女の子らしいことも可愛いことも自覚してないんだよね。
あなた
・・・聞きたくない

タカちゃんを押して離れようとするのに、それよりも強い力で抱きしめられて腕の中から抜け出すことが出来ない。
あなた
お願いだから・・・離してよ、
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ドジで不器用で料理も裁縫もなんも出来なくて。なのになぜか自信満々でさ(笑)
なんかほっとけないんだ。

・・・ねぇ、あなた。誰のことか分かる?
あなた
知らない。そんな子。

タカちゃんの好きな人の話なんて聞きたくないのに、話を続けるタカちゃんは意地悪だ。

早く離れたくて胸元を何度も叩くのに、タカちゃんは一向に離してくれない。
あなた
ばか。離してよ・・・もういいでしょ、
三ツ谷隆
三ツ谷隆
じゃあ最後のヒント。
俺の事「タカちゃん」って呼んでくる奴が俺の好きな人。
あなた
それもう八戒じゃぁーん・・・うわぁーん・・・

失恋した上にまさかの同性愛をカミングアウトされて、私はさらに声をあげて泣いた。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ばか、ちげーよっ!
あなた
へ・・・?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
もう一人いんだろ、タカちゃんって呼ぶ奴
あなた
・・・あと私しか居なくない?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
そうだよ、お前だよ。鈍感っ!

頭を掻きながら言ったタカちゃんは顔が真っ赤で、今度はタカちゃんが顔を横にそむけた。
あなた
・・・えっ?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
お前、まだピンと来てねぇだろ?💢
あなた
だってタカちゃんが意味わかんないこと言っt

タカちゃんの唇で塞がれて、私の言葉はこれ以上出ることがなかった。

唇が離された後、静まり返った道。
心臓の音が聞こえるんじゃないかってくらい鳴り響いている。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
俺が好きなのは、あなただよ。
あなた
・・・ッ///
三ツ谷隆
三ツ谷隆
本当鈍感だな(笑)
あなた
鈍感じゃないもんっ!!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
はいはい(笑)

幼馴染みのタカちゃんと想いが通じた日は案外あっさり過ぎ去った。







ー1週間後ー
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あなた
あなた
あっ、タカちゃんっ!

バスケ部の練習終わり、ひとりで自主練をしていた体育館に現れたタカちゃんは私に紙袋を渡した。

中身は・・・
あなた
わぁ・・・ブランケットだっ!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
ごめん、遅くなった。

一緒に生地を買いに行ったブランケット。
私の好きな色でステッチされていた。
あなた
ありがと、タカちゃん
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あともう一つ
あなた
え?

紙袋の中を確認したら、見覚えのある生地。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あなたの作りかけ。巾着にしといた。

1箇所だけガタガタに縫われた部分と、それ以外は買ってきたみたいに綺麗に縫いあげられた巾着。

自分が縫ったところとタカちゃんの縫ったところが悲しいほどにハッキリ分かるその仕上がりに思わず吹き出す。
あなた
私ヘタクソじゃん(笑)
三ツ谷隆
三ツ谷隆
今更気づいたの?(笑)
あなた
むー・・・

笑われたことが悔しくて頬を膨らませて怒れば、その顔を見てタカちゃんは笑う。
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あのさ、あなた?
あなた
ん?
三ツ谷隆
三ツ谷隆
俺、あなたの好きな人聞いてなかったわ。
あなた
もう分かってるじゃん
三ツ谷隆
三ツ谷隆
あなたの口から聞きたいじゃん?(笑)

はにかんで笑うタカちゃんに、私は素直に伝えたくなった。
あなた
私の好きな人は、なんでも出来ちゃう人。
私を子供扱いする人。
私のことが大大だぁーい好きな人っ!
三ツ谷隆
三ツ谷隆
名前は?(笑)
あなた
ふふっ・・・三ツ矢隆

タカちゃんの名前を告げると、タカちゃんは私を抱きしめてキスをした。





fin.



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三ツ矢の初小説〜!
みんなが恋する三ツ矢くんですよー♡(?)

言わせたいセリフとやらせたい事がありすぎて
長くなりすぎました😂
なんじゃこりゃの終わり方笑

いいねやコメントくれたら嬉しいです!

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プリ小説オーディオドラマ