🦉side
「心が籠ってない。俺たちはさエンターテイナーだ。心が籠ってなけりゃ話にならない。」
一昨日リノさんに言われた言葉頭の中をリフレインする。
言われた日から朝から晩まで練習した。
練習してしまくったけど、分からなかった。
どうしてもわからなかった。
どうしてなの。加入させてもらって「リノさんをまた笑顔にしたい」っていう目標があるのにそれなのにダンスに心が籠ってないなんて本当に話にならない。
そんな気持ちを持ちつつ今日は歌唱チェック。3RACHAに見てもらう日。
大丈夫なにがあっても絶対大丈夫。
なんて思ってた。
今までskzが出したJPOPメインのKPOPを少し、歌った。私は歌が好きで気づいたら朝から晩まで歌ってる時もあった。時間を忘れちゃうくらい好き。だから自信があったんだ。歌には。
だからさ、こうやって歌った後に「なんかなぁ…」みたいな顔されるとすごくショックなの。
するとチャニヒョンが
「あなたの下の名前。」
「?はい。」
「実力チェック終了!こっちおいでよ。」
「はい。」
「あ、ハニとビニもお疲れ様さま!直帰するなりなんなり自由にしていいよ〜!」
なんてまるで私と2人で話がしたくて追い出すみたいに急に解散になった。
ぼーっと立っていると。
「あなたの下の名前。」
「?はい。」
「今誰もいないから女の子に戻ってもいいよ*ˊᵕˋ*」
「……オッパ。私何がいけないのか分からないの。ダンスを見てもらった時もそう。心が籠ってないって。どうしたら心って込められるのかな」
「(;´・ω・)ウーン・・・難しいね。「込めよう!」って思って込められるものじゃないからなぁ…例えば俺たちなんかは待ってくれているSTAYためとか自分たちのためもあるけど…なんだろ…」
暫く考え込むチャニオッパ。すると
「あっ!」なにか思いついたみたいに顔を上げた。
「楽しいからだよ。そうだ楽しいの。俺たち。」
「楽しい?」
「そう。俺たちはね。だけどそうだなぁ…あなたの下の名前の場合は、心は十分に込められてると思うよ?ただね、冷えきってるんだよ。きっと。凍りついちゃってるの。」
「凍りついてる…」
「でもさ難しく考えすぎなんだよあなたの下の名前は。大丈夫!そんな氷溶かしてあげるよ〜!」
「…リノさんは」
「リノ?」
私はずっと思ってることがある。ずっと。
リノさんの私を見る目、酷く冷たい。きっといや絶対私がそうしたんだ。
「じゃあリノさんはどうして私に「心が籠ってない」なんて言ったの?」
「…。」
「ねぇ、オッパ…私どうしたらいいの?」
「 あなたの下の名前 …。」
ずっと考えてた。リノさんをまた笑顔にする方法。だけどいつまで経っても答えは出ない。
「もう無理かもしれない。」
「それは僕も思ってるよだけどさ」
「だって…オッパ私…」
チャニオッパが辛そうな顔で私を見る。ごめんね、そんな顔にさせて。
「確かに加入を希望したのは私だけどもう無理なんだよ。リノさんは私をよく思ってないみたいだし…それに歌もダンスにも心が籠ってないなんて…やっぱり長いこと練習生やっただけあるよね、やっぱり私は…」
「大丈夫だよ!絶対リノもそのあなたの下の名前の真っ直ぐさにやられてすぐ仲良くしてくれるって!ほら、リノに笑顔を取り戻して欲しいために入ったんだろ?大丈夫だからオッパが付いてるからさ…だから…「私には無理」なんて悲しいこと言わないで欲しい…オッパのために」
「それに」と続けるチャニオッパ。
「過去のあなたの下の名前を悪く言うのはそれがあなたの下の名前であっても、俺は許さないよ。その経験はかけがえのない宝物なんだ。そんな宝物をそんな風に言うのはチャニオッパ悲しいし、怒るよ?」
チャニオッパの真剣な顔。こんな時に不謹慎?かもしれないけどすごくキレイ。
「ごめんなさい。オッパ」
「ん、いい子(*´˘`*)」
優しい笑顔のチャニオッパに戻った。
もう少し頑張らなきゃ。なに、クヨクヨしてたんだろう。私。
自分で選んだ道なんだから、さっさと切り替えて次に繋げないと。大丈夫私なら。
すると
ガタン。キィーッ。
開いたドアの先にいたのはとてもとても気まずそうに笑っているビニヒョンの姿があった。
「や、やぁ✋スマホ忘れちゃって…(;^ω^)」
あ〜。どうしよう。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!