
伏見あなた
(まだ秒針の音は鳴り止まない)

伏見あなた
(感覚的にあと30分はあるはす……急いで……!)

夜崎刃
「あなた!」

夜崎刃
「警察が着いた!」

伏見あなた
「!」

伏見あなた
(秒針の音は……下から!)

伏見あなた
「入り口の左にある倉庫に入って!」

伏見あなた
「入り口からすぐの所に地下への階段がある筈です!其処に行って!」

伏見あなた
「恐らく───爆弾が仕掛けられてます!!」

夜崎刃
「!!」
モブ
「了解しました!」
タッタッタッ

伏見あなた
「お願い……間に合って」

伏見あなた
(不自然過ぎる爆弾、爆破させるタイミングは殺した後で良かった筈)

伏見あなた
(じゃあ何故このタイミング?ボク等を狙った?)

伏見あなた
(此処に連絡したのは昨日の夜)

伏見あなた
(殺されたのは死亡推定時刻を考えれば、一昨日の夜)

伏見あなた
(それから爆破を遅らせるのは基本不可だった筈……)

伏見あなた
「なら、狙いはボク達……?」

水無月夜逢
「あなたさん?どうかしましたか?」

伏見あなた
「夜逢、避難は大丈夫?」

水無月夜逢
「ええ、大丈夫ですよ」

夜崎刃
「あなた、こっちも終わった」

伏見あなた
「地下にあったのは何?爆弾だった?」

夜崎刃
「爆弾と爆竹、爆弾は此処等一帯を吹き飛ばせる様な威力じゃ無くて爆竹に火をつける為って感じだったな」

夜崎刃
「あと灰皿が幾つも、煙草の吸い殻は無かったけどな」

伏見あなた
「………あぁ、そういう事か」

水無月夜逢
「あなたさん?」

伏見あなた
「秒針でボク等を焦らせたかったんだ」

伏見あなた
「狙いはボク等、でもそれは逃す為」

伏見あなた
「此処が如何に危険か、分かっているから」

夜崎刃
「あなた?」

伏見あなた
「犯人を確定させたい」

伏見あなた
「今日は一旦帰ろう」

水無月夜逢
「そうですね」
次の日

夜崎刃
「あなた、起きろ」

夜崎刃
「朝だぞ」

伏見あなた
「んぅ……あ、と5分……」

夜崎刃
「なんか……あなた、声枯れてねぇ?」

夜崎刃
「風邪引いたか?身体怠いとかは?」

伏見あなた
「ん……大丈夫だから……」

伏見あなた
「昨日夜遅くまで昨日の仮説を、確定する為に推理してたら……」

水無月夜逢
「声が枯れたんですね」

伏見あなた
「そぉ………」

夜崎刃
「……なら良いけど」

伏見あなた
「おはよ……」

夜崎刃
「おはよう」

夜崎刃
「5分ちょっきりだな」

伏見あなた
「夜逢……パン……」

水無月夜逢
「はい、焼けてますよ」

伏見あなた
「ありがと……」

夜崎刃
「じゃあ俺らもメシにするか」

水無月夜逢
「そうですね」

伏見あなた
「刃」

夜崎刃
「あ?どした」

伏見あなた
「スワロウテイルにこの事を確認しておいて欲しい」
(一枚のメモを渡しながら)

夜崎刃
「珍しいな、あなたが自分から確認するなんて」

伏見あなた
「……向こうの方がレコードが上でしょ、目上の人には敬意を払わなきゃ」

水無月夜逢
「そういうところあなたさんはしっかりしてますよね」

夜崎刃
「確かに、じゃあ確認しとくわ」

夜崎刃
「狐珀、向こうからの返事」

夜崎刃
「“君の推測通り”だと」

伏見あなた
「ありがとう、刃」

伏見あなた
「今度御礼に行こう」

夜崎刃
「だな」

水無月夜逢
「それで、犯人は分かったんですか?」

伏見あなた
「うん、耳で聞いた音は間違ってなかったよ」
《有限会社ポートレート・休憩室》

伏見あなた
「犯人は、最初に案内してくれた人」

伏見あなた
「……だと、思います」

夜崎刃
「その理由は?」

伏見あなた
「ボクが普段換気扇か何か回してますかって聞いた時、回してないって答えたよね」

伏見あなた
「でもあの後、社員の人に話を聞いてる時に休憩室は常時換気扇を回してるって聞いた」

伏見あなた
「コーヒーや紅茶などの飲み物の匂いが篭らないようにって」

伏見あなた
「でもそれなら何で嘘を吐いたのか」

伏見あなた
「それはボク達を守る為」

伏見あなた
「あの爆発で、此処がどれだけ危険かボク達に知らせる為」

伏見あなた
「此処は…全員が刃物を持ち歩いている、と」

夜崎刃
「…突然な推理、だな」

伏見あなた
「うん、ボクも分かるよ。突然過ぎるって」

伏見あなた
「でも考えてみて」

伏見あなた
「スワロウテイルに聞いた内容───最近、刃物系の事件を取り扱った時、他に仲間は居たか。居たなら刃物の種類は“カッターナイフ”だったか」

伏見あなた
「それに対しての回答は“君の推測通り”」

伏見あなた
「つまりカッターナイフだった」

伏見あなた
「ボク等が此処の中を回ってた時、皆机の上にカッターナイフを置いていた」

伏見あなた
「最初は封筒を開ける為だって、思ってたけど……」

伏見あなた
「それが庇う為なのだとしたら?」

伏見あなた
「社員全員での……隠蔽工作なのだとしたら?」

夜崎刃
「つまり…全員が囮って事か?」

伏見あなた
「多分……でも確証はないかも」

伏見あなた
「自分の推理が強引なのは分かってるから」

夜崎刃
「まぁ、な……」

伏見あなた
「ボクは想像で物を語ることが多くなっちゃう………」

伏見あなた
「でも地下に灰皿が沢山あった理由も分かるよ」

水無月夜逢
「?」

伏見あなた
「鈍器だよ」

伏見あなた
「あの人……案内してくれた人が準備したんじゃないかな」
モブ
「あれは昔の喫煙所の名残りで……!」

伏見あなた
「……それにしては、随分と心拍数が上がってますね?」

伏見あなた
「顔も赤いし、目も泳いでる」

伏見あなた
「これ以上隠して何になるんですか? ボクは貴方が全てを言うまで“聞き”ますよ」
モブ
「ッ───!!」
モブ
「クソッ!! そうだよ!! 俺がやった!!」

伏見あなた
「あっさり答えるんですね」
モブ
「お前らにはどん底に落ちた奴の気持ちは分からないだろうがな!!」

伏見あなた
「……」

伏見あなた
「……刃、警察」

夜崎刃
「もう呼んで外で待ってるよ」

水無月夜逢
「じゃあ俺呼んで来ます」
《 黎明ノ希望》事務所

伏見あなた
「………気持ちは分からない、か」

伏見あなた
(何も知らない……そう、知らない)

伏見あなた
(人の気持ちに踏み込むのは……)
本案件はネスト序列19位《黎明ノ希望》が解決
追加情報:特に無し
初投稿)2025 1/1(水)12:00
変更)2025 1/3(金)14:06
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第4話 #002 事件編
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編集部コメント
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