第13話

13.ストーカー被害 Ⅴ
113
2024/04/03 00:44
目をあけると白い天井。
右側には温もりがあって。よく見るとそれは樹だった。
俺は冷静に。目を閉じる前に何があったかを思い出す。

……いつも俺を1番に助け出してくれたのは、いつも樹だったよな。
あの女は逮捕されたのだろう。
樹の寝顔を見る限り、俺は長い間眠っていたのであろう。樹の目元は真っ赤で、腫れている。

医者にも知らせなきゃいけない。
樹を起こそう。
海(かい)
海(かい)
樹、樹。
起きれるか?ナースコールを押してほしいんだが…
田中樹
田中樹
んー…?
か、海…?海ッ!?
海(かい)
海(かい)
あ、おう。そうだぞ(笑)
医者を…
田中樹
田中樹
(ぎゅっ…)
お前…どれだけ寝てたかわかってんのか…?
どれだけ泣いて、後悔して、自分を恨んで…!
海(かい)
海(かい)
樹、俺は樹が助けてくれなかったら、死んでいたかもしれない。
これは本当にそうだ。
もう少し遅かったら、俺は確実に逝っていた。
生きてるだけで、奇跡なんだ。
海(かい)
海(かい)
ありがとう。樹。
田中樹
田中樹
…バカ…ナースコールしてくるから、大人しく待ってろ…グスッ
…樹、ありがとう。
今も、前も。
俺に光をさしてくれたのは樹だったね。

意識が飛びそうなとき…
声が出せなくて焦っているときに樹がいった言葉。

『海と喧嘩してんだよ。
仲直りするまで、いや、仲直りしても、海が俺等を嫌いになるまで…海は絶対に渡さない。』

その言葉で、安心して眠りにつけたのだろう。
樹、俺も同じだよ。俺を嫌いになるまで、離さないからな。SixTONES。

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